経営者が将来性ある会社をつくるには社内文化を資産として築くことが大切 陸王から学んだメッセージ

この1週間で埼玉と広島での

2カ所の経営計画発表会に参加する。

2社とも社員数は10人前後の小さな会社だ。

にも関わらず、社員とその家族を守るために発表会を開催し、

今期はどのようにしてお客様の期待に応えている。

この早い時代の流れに対応していくかを

社長が熱い思いを込めて発表していた。

2社とも経営計画発表会に銀行を招待していた。

1社に至っては11行もの銀行が出席していた。

その会社は、翌日お礼を伝えに銀行に訪問したところ、

今回来賓席ではなく一般席で参加していた銀行から

「来年は来賓席にぜひ座りたい」と言われたそうだ。

来賓席に座っている銀行=融資をしてくれている銀行

ということになっているため、つまり、

「あなたの会社に融資をしたい」と言われたことになる。

このように言ってくれた銀行、

実はこの会社の決算書を持っていないし、見ていない。

そのような状態でなぜ、

「来年は来賓席にぜひ座りたい」と言ったのだろうか?

それは経営計画発表会で

その会社の確かな将来性を感じたからだ。

私も仕事柄多くの中小企業を見ているが、

銀行の数はそれとは比にならないほどの多くの中小企業を見ている。

すなわち、

中小企業の”フツウ”というものを本当によく知っているのが銀行なのだ。

では、経営計画発表会で銀行が

将来性を感じたのでどの部分を見てだろうか?

経営計画発表会の第一部では、

社長の来期にかける想いとその話に耳を傾ける社員の姿(姿勢)だ。

そして、第二部の懇親会では、

定刻通り運営がされている、余興などのバカもできる、

替え歌や早食いゲームなどを通じて社内の一体感を見ている。

たった3時間強の発表会の時間の中で、

銀行はその会社の決算書を見ていないにも関わらず、

これらの内容を自分自身のその目で確認し、

その会社の確かな将来性を感じたのである。

前回の日曜劇場・陸王でも同じようなシーンがあった。

融資担当の銀行員・大橋が会社に訪問する。

波に乗っている事業の機関社員2人が入院したことで、

「このような体制では品質の高い商品を安定的に提供することは不可能」

と判断し、融資の減額を提案してきた。

しかし、そんな状況にもめげずに、

全員で声を掛け合いながら不眠不休で現場で作業に奮闘する

「こはぜ屋」の社員の姿を見て、大橋は、

「将来性がある会社だと報告します」

と態度を変え、融資を通してくれた。

小さな会社こそ、決算書などを代表とした

”定量的情報”以外の”定性的情報”の部分を

もっともっと強化していくことだ。

定量的とは、

対象の状態を連続する数値の変化に着目して捉えること。

つまり、数字で表すことができるものだ。

定性的とは、

対象の状態を不連続な性質の変化に着目してと耐えること。

つまり、数字で表すことのできないもの。

定量的情報とは、実績などの現在または過去の数字には強い。

しかし、その情報だけでは未来は見れない。

明るい未来をつくれるかどうかは定性的情報に隠されている。

定性的情報とは、

社風や規律、従業員の姿勢、社内環境が整っているか、

社員が生き生きと働いているかどうかなどがある。

決算書を代表する定量的部分だけに捉われて

経営をしている社長が多くいる。

これからの時代は定量的な部分以上に、

定性的部分が評価される時代がやってくる。

社長と社員が一緒になって創り上げる会社の文化は

決算書には載らない大切な、重要な会社の資産だ。

でも実は、定性的な部分とは、

やれば誰にでもできることが多い。

実は銀行もそれを知っている。

だからこそ、この社長と社員なら

どんなことがあっても乗り切っていくだろうという

”将来性”を感じるのである。

定性的な部分が強い会社こそが、

銀行から”将来性がある会社である”と判断されるほど

成功し続ける会社になることができるのである。

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    この記事を書いた人

    金村 秀一

    100年塾塾長・社長コンサルタント

    社員数30人以下のヒト・モノ・カネの悩みを解決するための成功し続ける社長の経営塾”100年塾”を主宰。

    経営塾”100年塾”は、飲食業界に関わらず、様々な業界の社長が全国各地から参加している。経営計画書・環境整備・斜めの関係という再現性の高い道具を使って、社員がイキイキと働きながら、社長の決定をすぐに実行する、高収益体質の会社づくりをサポート、生産性が高い強い経営ができる。