上司に求められるマネジメント能力とは
上司に求められるセルフマネジメントとして、最も重要と言えるのがタイムマネジメントです。時間管理が下手な上司は、まず成功しません。
誰にでも、1日24時間は平等に与えられていて、その使い方によってほとんどの勝負は決まると言ってもよい。
タイムマネジメントのポイントは2つ
上司としての時間管理のポイントは2つあります。
【1】時間の先取り
その1つが時間の『先取り』です。
上司のスケジュールがわからないために、部下が動きにくくなることがよくあります。ビジネスはスピード勝負で、これは大きな損失です。
そこで、上司は誰よりも早く仕事の予定を立てて、可能な限り、社内で公表します。こうすれば部下は、私の行動予定に合わせて予定を組むようになります。
『いつなにをやるべきか』が早い段階で共有されるため、組織としての初動が早くなります。
ちなみに、社長である私の予定は13ヶ月先までのスケジュールが時間単位で決めてあります。驚く人が多くいますが、実はそれほど凄いことではありません。
翌年の会議など、今年と同じ日付で、同じ時間に実行することにしているだけです。
『1年も先のことは、分からないから予定など入れられない』という人がいますが、それは違います。
どうせ分からない『1年も先』だから、どんな予定だって入れられるのです。もちろん、スケジュールの隙間に後からどんどん予定が加わり、既存の予定と重なることも多々あります。
そうしたら、優先度に照らしてどちらかを動かせばいいのです。極端に言えば、テキトーでもいいから予定を明らかにしておくことが重要です。
一番悪いのは、状況が流動的だからと言って、上司がギリギリまで予定を決めないことです。これでは組織全体の動きが鈍くなってしまいます。1年先の予定を決めるスピード感が必要
【2】期日の締め切り
時間管理のもう1つのポイントは『締め切り』です。上司の締め切りの設定が甘いために、仕事の進捗が滞ることがよくあります。
会議の所要時間を『1時間くらい』と曖昧に計画していると、1時間半は軽くかかってしまうものです。その分、他の仕事をする時間が奪われてしまいます。
私が参加する会議は、だらだらと長引くことはありません。なぜなら、会議の後には人に会ったり、社外に出かけたり予定を入れているからです。
『社長は◯時に出かけなければならない』と決まっていると、部下の報告も無駄な前置きが一切なくなり、重要なことから順番に話すようになります。
部下の仕事の質は、費やした時間の長さに比例しません。いくら時間をかけても、その人のスキル以上の仕事はできないからです。だから、予定時刻までに必ず終わらせて、すぐに次の仕事に取り掛かるべきです。
締め切りを厳守させる以上は、部下の仕事に完璧さを求めてはいけません。
そこに時間とエネルギーを割くより、限られた時間の中で1つでも多くの仕事をこなしましょう。そうして手数を増やす方が、組織が変化に対するスピードが増すことになるからです。
時間とは全ての人に平等に与えられているもの
1日は24時間。質より量。スピードが命