『型』がない人に『型破り』なことはできない。

金村
自分の成長速度を早める方法のひとつに先輩や先生から『学ぶ(真似る)』という方法がある。個性やオリジナリティーの重要性が叫ばれる中、『型』から真似る重要性をまとめてみた。

『型』を真似ることで短時間で成長ができる。

日本では、『真似をする』・『パクる』と言う言葉は、なぜかネガティブに取られることが多い。

真似るのではなく、オリジナリティーにこそ価値があり、0から1を生み出すことが大切であり、かっこいいと考えられているところがあるからだろうか。

でも、実際に、社会に出たら、誰かに教わり、学ぶことなく、あらゆることを1から自分自身で学び続ける時間などはない。

他の人の答えを真似する(カンニング)をして怒られるのは、学生時代まで。

誰かが時間をかけて生み出したテクニックやノウハウ、考え方などをどんどん真似することで、短期間でその人に近づくことができる。

だから、社会に出たら、まず、上手くいっている人、成功している人の真似をどんどんしながら『型』を学び、自らの『型』をつくり、そして、自らその『型』を破ることで、『型破り』のレベルまで行くことができる。

『型破り』の高いレベルまで行くためには、このステップを多くの著名人もしっかり踏んでいることがわかる。

『型』を破った超名人たち。

宮崎駿監督

ジブリの宮崎駿監督は、20年間、日本のアニメーション業界に大きな影響を与えた映画監督・高畑勲さんの下で学び、考え方や立ち振る舞い、話し方、字の書き方までを徹底して真似ることで、表現者としての基礎を築いたと言われている。

米津玄師

「俺はオリジナリティー信仰みたいなものが嫌いなんですよ。誰も見たことも聞いたこともないものしか許さない、と言ってしまう感じ。音楽ってフォーマットがあり、『型』のようなもので成立している部分があるのは事実で、その中でいかに自由に泳ぐかじゃないかと。」

「美しいものって、分析して、勉強していった結果、身につくものだと思うんですよね。それをよく理解しないで、”ありのままの自分”とか”素の自分”って気持ちいい言葉でごまかして、自分がどこから生まれてきたのかを考えない。つまらないなぁって思います。」

このように『型』の重要性について述べている。

スティーブ・ジョブズ

「素晴らしいアイデアを盗むことを恥じない」と生前語っている。

島田紳助

本格的にテレビにデビューする前、当時流行っていた漫才を全て劇場へ観に行き、こっそりとテープレコーダーで録音し、自宅で漫才を全部紙に書き起こして、流行っているものを模倣しながら、自分の独自スタイルをつくった。

星野佳路(星野リゾート社長)

「経営に教科書はない」と話してはいるものの、「経営の教科書に書かれていることは正しい」と断言し、書かれている理論を勝手な解釈でつまみ食いすることをせず、まずは100%教科書通りにやってみることがなによりも大切と話している。

『型』から『不惑』のオリジナリティーが誕生する。

40歳ぐらいまでは、上手くいっている人、成功している人を徹底的に真似することで、基礎体力がつき、その『型』を真似し続ける過程で、その人たちと同じことが見える(わかる)ようになる。

このプロセスをしっかり踏むことで、四十にして惑わずの『不惑』に至るのだろう。

さらに、そこから少しずつ『型』の殻を破って、自らの『型』をつくることで、『型破り』なオリジナリティーが生まれる。

そもそも、『型』のないオリジナリティーは、たったひとりのあなたの知識と経験からできあがった薄っぺらいものであり、私は『型』のない上に咲く、そのようなオリジナリティーのことを『カタナシ』と呼んでいる。

それほど、『型破り』なオリジナリティーとは、簡単に出るものではない。

『型』と『個性』の関係性。

そもそも、個性とは、何かを突き詰めていく過程で、他人との違いが、自分の中で抑えきれなくなって、外に自然と湧き出してしまうもの。

にも関わらず、子供の教育でも、暗記や詰め込み型の重要性が薄れ、『型』や『お手本』が身につく前から、個性やオリジナリティーを求めることが良しとされる風潮を感じる。

過去の先人の知恵やテクニックを身につけて、すぐに取り出せる状態にしてあることを『巨人の肩に乗る』と言う。

『巨人の肩に乗る』。

つまり、先人が残してくれた『型』をアレンジしたり、掛け合わせたりする過程で、さらなるイノベーションやオリジナリティーが生み出せるのではないだろうか。

『型』✖︎『型』が新しいアイデアを生む。

そもそも、今の時代に全く新しいアイデアなどはなかなか生まれない。

新しいアイデアの多くは、既存のアイデアとアイデアを組合せを変えたもの。

つまり『型』と『型』を組合せを変えたものでしかない。

『真似をする』ことは勇気である。

ご存知の通り、『学ぶ』という言葉は、昔は『まねぶ』と言われ、その午前は『真似ぶ』から来ている。

そういう意味では、『真似る』ことをやめることは、『学ぶ』ことをやめる、つまり、自分自身の成長を放棄しているとも言える。

書籍『真似る技術』を書かれたものまねタレントのコロッケさんは、

『真似をすることは一つの勇気であり、「一歩を踏み出すこと」』

だと話をしている。

『型』がない人に『型破り』なことはできない。

『型』がない人には辿り着くことができない領域があると信じている。

先人たちが知識と知恵の結晶として残してくれた『型』をまずは真似、その『型』を破ることで、想像を超える『型破り』な領域に辿り着ける。

そもそも、破る『型』がない人に、『型破り』なことなどできるはずもないのです。

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    この記事を書いた人

    金村 秀一

    100年塾塾長・社長コンサルタント

    社員数30人以下のヒト・モノ・カネの悩みを解決するための成功し続ける社長の経営塾”100年塾”を主宰。

    経営塾”100年塾”は、飲食業界に関わらず、様々な業界の社長が全国各地から参加している。経営計画書・環境整備・斜めの関係という再現性の高い道具を使って、社員がイキイキと働きながら、社長の決定をすぐに実行する、高収益体質の会社づくりをサポート、生産性が高い強い経営ができる。