流通経済大学柏のサッカーから戦略の重要性を学ぶ

金村
新年あけましておめでとうございます。2019年・1/52WEEKSが終了しました。正月の三が日は例年通りスポーツ三昧。今年も多くの気づきと学びがありました。中でも流通経済大学柏のサッカーの徹底ぶりは勉強になりました。

正月はスポーツから戦略を学ぶ絶好のタイミング

私の正月休みは例年通り『スポーツ三昧』。1日のニューイヤー駅伝と天皇杯サッカーからはじまって、2日、3日は箱根駅伝、それ以降は高校サッカーといった具合。

新年に人を笑顔にさせてくれる番組もいいのだが、筋書きのない試合結果を勝利に導くために、各チームおよび各監督がどのような戦略を実践しているかをチェックしている。

今年はダントツで高校サッカーが面白い!

箱根駅伝での青山学院大学、東洋大学、東海大学の各監督の戦略も面白いものがあり、社長というリーダーの視点から見ると、とても勉強になることが多かった。

その中でも、このお正月休みのスポーツの中でダントツに勉強になったのは、高校サッカーの流通経済大学付属柏(以下、流通経大柏)の戦略だ。

チームの方針が明確でわかりやすい

流通経大柏のサッカーと言えば『プレッシングサッカー』で有名。サッカーやバスケ、ラグビーなどは攻守が表裏一体のスポーツ。その守備においては、受けて守るだけが守備ではなく、相手の思い通りに攻撃させないことも守備のひとつと考えられている。

その考え方の一つに『プレッシングサッカー』というものがあり、ボールを持っている相手の選手やその近くの選手に、守備の選手が寄せて圧力(プレス)をかけるサッカースタイルのことをいう。

このスタイルは相手が思うように攻撃できないなどのメリットも多い反面、選手の体力の消耗が激しいなどのデメリットも多い。

『負けて強くなる』を実践

多くのメリットとデメリットが交錯する中、このサッカーを徹底するために流通経大柏がしていることを知って驚いた。

それは、全選手のユニフォーム下、上半身にカーナビなどで使用されているGPSが付けられている。そのデータを使ってドリブル数をはじめ、スプリント数、パス成功率などをはじめとする数値が一目でわかるようになっているということ。

これを導入したきっかけは、昨年の優勝に王手をかけた決勝で前橋育英に敗れたことだった。その後監督は渡欧し、ドイツのユースチームを視察。そのユースチームでGPS機器を装着して練習し、その日の走行距離やボールタッチ数をデータ化する最新の強化システムに感銘し、帰国後にチームに導入し、練習にまで落とし込んでいる。

『このようにサッカーを科学する、分析することで以前までのように感覚や感情で、選手に対応することがなくなった』とも監督は話をしている。

戦略を毎年バージョンアップし続ける強さ

このプレッシングサッカーに加えて、流通経大柏はセットプレーからのチャンスを得点につなげる戦略も徹底している。

スローインも、ロングスローでゴール前まで投げることができる。でも、ロングボールが投げられるにも関わらず、ショートパスをしたりとその戦術の徹底ぶりは見ていてもとても面白い。コーナーキックやフリーキックなども、見ている人に『一体何がはじまるんだろう』と思うほど、チームの戦術に従って選手たちが一気に動き始める。

このようにセットプレーからのチャンスを最大化する戦術を徹底しているのも、優勝するためには強豪校との試合が必ずあり、試合の流れから崩す形で得点することは難しくなってくるだろうという監督の戦略に基づくもの。実際に、今大会でも強豪校との1点差の厳しい試合をものにしている。

勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし

このようにチームの方針を明確にし、徹底してやることとやらないことを決めることで、安定した底力のある結果を出し続けていることがよくわかる。

流通経大柏の次の試合は1月12日の準決勝。時間があれば、どのようなサッカーをしているかぜひ観てみてほしい。サッカーを知らない人でも『おや?』と不思議になるシーンが多いはず。

経営もスポーツもやってみないと結果はわからないもの。『勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし』の言葉通り、スポーツの試合から学ぶべきものはとても多くある。そのスポーツの大一番がたくさん行われる年始は、絶好のベンチマーキングの時なのだ。

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