『世界で最も騒がしい都市』インド・ムンバイ
『世界で最も騒がしい都市』と呼ばれているインド・ムンバイの現地警察で面白い取り組みが行われた。
信号待ちをする車がクラクションを乱用する風習がもともとインドにはあり、騒音公害が社会問題になっている。
クラクションの使用頻度は世界トップクラス。
自動車メーカーもインド向けに販売するクルマには耐久性を向上させた専用クラクションを搭載するほどらしい。
この悪い風習を無くすために現地警察が試験導入したのが、『一定以上の音量で待ち時間がリセットされる信号機』。
この信号機には音量測定器が取り付けられており、85デシベルを超える音を計測すると、信号が変わるまでの待機時間が90秒に再リセットされる仕組みになっている。
まずは、実際の映像をご覧ください。
インドで試験導入されたクラクション対策信号機【動画:1分53秒】
赤信号で停車した車のドライバーがいつものようにクラクションを連打していると、あと少しで信号が変わるというところで85デシベルをオーバーする。
するとあと数秒だった待ち時間が、90秒にリセットされてしまいドライバーたちが困惑している様子がわかる。
ルール・仕組みがあるから上手くまわる
そもそも『仕組み』という言葉の意味には、
事をうまく運ぶために工夫された計画。構造。
と書かれている。
世の中にはいろいろな人が存在するから、ルール・仕組みがあることで上手く回っている。
会社も同じで価値観が違う人が一緒に働くから、ルール・仕組みがあることで成果を上げることができる。
『正しい』仕組みは存在しない
そして、このルール・仕組みも時代とともに少しずつ修正される。
交通ルールが毎年改正されるのも、時代に合わせてルール・仕組みを変化させているだけ。
だから、ルール・仕組みに正しいも正しくないも存在しない。
間違ったり、上手くいかなかったら修正を繰り返して、上手くまわるようにしている。
だから、ルール・仕組みはまずは『ある』『存在する』ことが何より正しい。
仕組みがある会社ほど、働きやすく生産性が高い
経営計画書の作成の指導をしていると、仕組みがなく社内が混乱している会社が多いことがわかる。
社長が『仕組みがあることが正しい。あとは修正しながら進んでいく』と決定することで、経営計画書の各種方針(ルール)が決まっていく。
社長も人の子、間違えることはある。
ルール・仕組みが上手く機能しなければ、機能するまで修正を加えればいいだけ。
社長の私利私欲の仕組みではなく、『会社を良くしたい』という仕組みであれば、きちんと着地点は見つかる。
社内には性別はもちろん、社歴も様々、これまでの経験も様々な、価値観・考え方が違う人たちが一緒に働いている。
だからこそ、社内にルール・仕組みがあることで、社内での交通事故が激減する。
そうすることで自然と働く環境も良くなり、仕事の生産性にも影響をもたらす。
すべては社長が『正しい仕組み』を作ろうとせず、『仕組みがあることが正しい』と観点を変えられるかどうかで決まる。