第97回箱根駅伝大会
写真:共同
正月の風物詩の第97回箱根駅伝が開催された。
今回の大会は飛び抜けた大学がなく、出入りの激しい展開で応援していて目が離せなかった。
箱根駅伝は、往路107.5 km、復路109.6 km、計217.1 kmを走る。
これだけの距離を繋がれた襷のドラマはラスト2kmで起こった。
10区で3分以上の逆転劇は89年ぶり
10区で3分以上を逆転した優勝は、1932年の第13回大会依頼。実に89年ぶりの出来事。
それだけ普通の人から考えると、駅伝でのしかもトップアスリートの3分差は致命的とも言える。
駒澤大学の監督・大八木監督ですら、この時間差をみて優勝を諦めていたほど。
10区を走った石川選手も、走っている間にどんどん意識が変わっていたことがわかる。
最初は、最初から突っ込んでベストを尽くす。
そこから、区間賞を狙いに行く。
そして、優勝を狙う。
万全の準備と目の前の目標を積み上げることで、本来諦めてもおかしくなかった優勝を手にすることができた。
ラスト2kmと言えば、時間にするとラスト6分。
駅伝も人生も、最後まで諦めないことで何が起こるかわからないものだ。
悔しい想いが人を成長させる
今回の箱根駅伝を2日間見ていて思ったことは、悔しい想いが人を成長させるということ。
すべての大学に監督がいて、選手がいる。
4年間と限られた時間の中で、箱根駅伝で激走する自分を夢みて練習に励んでいる。
これは選手だけではなく、監督にも同じことが言える。
この教え子たちに、最高の大会で最高の結果を残させてあげたい。
そんな気持ちで、厳しくも優しく日々指導しているに違いない。
駒澤大学の大八木監督のコメントにこのような内容が書かれていた。
温情で最後の箱根駅伝となる4年生をエントリーさせることも考えた。
でも、それじゃ箱根では勝てない。
だから敢えて冷徹な決断をした。
やってみないとわからないスポーツの世界。
監督も選手も答えのない決断をしながら、悔しい想いをお互いにしながら、ギリギリのところで大会に望んでいることがわかる。
でも、この悔しい想いが時と場所を変えて、人の成長に大きく貢献していることは間違いない。
そんなことが各校の情報から伝わってくる。
漫画家・高橋しん先生の箱根駅伝イラスト
箱根駅伝が終了した翌日のスポーツ紙にはいろいろな楽しみがある。
中でもスポーツ報知に掲載される漫画家・高橋しん先生の箱根駅伝のワンシーンをイラストが気に入っている。
2021年大会で描かれたシーンはこちら。
往路1〜5区を駆け抜けルーキー7人が競り合う夢のデッドヒート。
この7人の共有点は往路で走った1年生ルーキー。
実際にはなかったシーンだけど、高橋しん先生の想いが込められたイラストになっている。
ちなみに2020年大会のイラストはこちら。
第2区の東洋大・相沢選手と東京国際大学・伊藤選手の20㎞に及ぶ並走シーン。
母校・東京国際大学の伊藤選手だっただけに、心が揺さぶられた。
大会関係者のみなさんに感謝
箱根駅伝が終了して、緊急事態宣言が再度出されるようだ。
このような状況の中、箱根駅伝を中止することなく、あらゆる手を尽くして開催してくれた大会関係者のみなさんに心から感謝したい。
おかげでこのような素晴らしいドラマをみることができたのはもちろん、選手たちが夢の舞台を走る機会が失われなかったことが本当に嬉しい。
あらためて人々が協力することで大きなことができると感じた大会だった。
そして、箱根駅伝を走った選手たちから、今年もたくさんのドラマと勇気をもらいました。
ありがとうございました。