甲子園での高校野球から学んでいること。【社長の甲子園視察ツアー】

金村

毎年社長たちと行っている『甲子園視察ツアー』。どんなことを考えながら、甲子園から何を吸収しているのか。まとめてみました。

社長たちと行く『甲子園視察ツアー』

毎年8月に甲子園がはじまると、経営塾『100年塾』の社長たちと一緒に甲子園視察ツアーに行きます。

甲子園でいつも考えていること

高校野球を甲子園で見ることで、たくさんのことに気づき・学べる。

いつもどんなことを考えながら甲子園で試合を見ているのか。

まとめてみました。

全てに通じる礼儀

甲子園に行ってまず感じることは、礼儀に溢れているということ。テレビ中継では映されないベンチ周辺や練習中など、あらゆるところで礼儀正しさが溢れている。驚くことに、全てのチームに置いてこの礼儀正しさがある。だから、僕自身は、野球が強いだけでは甲子園にはこれない。この礼儀を身につけたチームに野球の神様は微笑むのだと思っている。

最近の経営ではこの礼儀が軽んじられている気がする。礼儀とは、躾(しつけ)であり、躾は字のごとく身を美しくするばかりでなく、身を守ってくれる。さらに若い時の礼儀以上に、歳を重ねた時の礼儀に価値がある。礼儀という、誰にでもできる凡事をどこまで徹底できるかで、野球だけではなく経営も大きく変わる。

徹底された規律

高校野球の試合時間は、1試合あたり2時間から2時間半でスケジューリングされている。2019年のプロ野球の平均時間が3時間21分となっているから、約1時間ほど短いことがわかる。高校野球では1日4試合のスケジュールを行うために、試合展開はもちろん、攻守の切り替え、試合前の練習、グランド整備など、全てに時間的制約がある。それを着実にきびきびと動いてこなす甲子園は規律に溢れている。

仕事も限られた時間的制約の中で、最大限の効果を上げないといけない。その取り組み方に問題があるために、働き方改革などが叫ばれている。そもそもは、時間制約ありき。その中で、どれほどのパフォーマンスを発揮するのかを数字で見極めればいい。そもそも、小さな会社の経営では属人的な仕事が多く、その仕事にどれくらいの時間をかけていいかという規律がないために、起こっていることだ。試合時間と同じように、業務時間が全ての業務に決まっていれば、規律は整えることができる。

整えられた準備

これだけの猛暑の中で、いろいろなことの準備が整っているチームが勝ちを掴み取る。練習の準備が十分か、相手チームの分析と対策の準備ができているか、実力を出し切れる各選手の体調とチームの士気が整っているかなど。各チームによっていろいろな色がある。しかし、どんな色をしていてもその色を出し切ることができなければ、勝利はおぼつかない。

経営でも業績が良い会社にはこの準備が整っている。整っているからこそ好機(チャンス)を掴むことができ、さらに飛躍することができている。バタビンという言葉がある。『バタバタ動き回るわりには、成果につながらず貧乏をしている人』のことをいう。多くのことに手を出し、準備が整わず、動き回っているから好機が見えない、掴めない人とも言える。

監督の采配

監督の采配次第でゲームは大きく変わる。もちろん采配の全ては決断で行われる。だから、やってみないとわからないことばかりだ。とはいえ、ゲームの状況と流れを読み、自軍チームの強みを考えて采配を決める。監督は何を見て、何を決断しているのか。毎年一塁側の内野席から、監督の表情から動きまでを楽しみに見ている。

経営でも社長の戦略ミスは、社員の戦術ではカバーすることはできない。社長がこの認識が弱いと社員の戦術の実行力の強弱に意識が向いてしまう。あくまで今ある戦力で勝ち取れる最大の結果を目指すべきだ。そのためにも、社長が感性を磨き、自社の現状と未来を見抜く感の鋭さが必要とされる。

選手のひたむきさ

高校野球の魅力についてのあるアンケート結果によると、『ドラマチックな試合』や『郷土の代表校の活躍』などがある中で、ダントツの差で1位となった理由が『ひたむきなプレー』である。ひたむきなプレーがベースとなり、その姿に感銘した人たちが応援をし、その結果、ドラマチックなドラマが起こるのではないだろうか。ひたむきさはファンをつくる。人は頑張っている人を応援したいという人間心理そのものだ。

仕事でも同じことが言える。上手さよりも、ひたむきさ。上手さではファンはできない。働く人のひたむきさにお客様はファンになり、他のお客様も呼び込んでくれる。そして、ひたむきさは姿勢と態度に現れる。アタリマエのことをどれだけ徹底できるか。そのような凡事をひたむきにどれだけ一流にできるか。凡事一流は、お客様の心を動かす。

グランド上に飛び交う視線

テレビで見る高校野球とは違って、甲子園に来ることで初めて知ったが、グランドにはあらゆる視線が飛び交っている。野球部出身ではない自分には、見えるコトもあるが、見えないコトの方が多い。一緒に行っている野球経験がある社長たちに教えてもらって、選手はもちろん、監督、ベンチ選手、伝令、コーチャーなどの飛び交う視線、それらの情報を元に指示や作戦が随時行われているのを楽しんでいる。

経営をしていると甲子園のように、会社全体の動きを客観的に見ることはなかなかできない。客観的に見れないことで、偏った情報で経営の意思決定を迫られることがよくある。視野を広げ、社内の一挙手一投足を見逃さない。そうすることで、早くベストな意思決定ができる。ここ、甲子園に来ることで、試合を客観的に見ることで、日常の社長の仕事の視野が広がる。

一体感を生む価値観

甲子園での試合の行方を左右するひとつに応援がある。甲子園には各学校から大応援団が送られてくる。正直、テレビで見ていると音が調整されているせいか、それほど重要だとは感じない。でも、甲子園に行ってみると、その影響力は大きいことに気づく。全生徒の想いが応援に乗って選手に届き、勇気を与え、学校を代表する選手たちは、いつも以上の力を発揮することができるのだろう。各学校の応援団の統一された価値観は、本当に素晴らしいものだ。

会社ではいろいろな人が仕事をしている。新卒もいれば中途採用もいる。育ってきた環境が違うため、もちろん価値観もバラバラ。社長が時間をかけて、この価値観を合わせることで、バラバラだった価値観も揃いはじめ、その結果、一体感が生まれる。価値観を無視している社長も多くいるが、これを無視していては大きなことを成し遂げることは難しい。大事なときに、威力を発揮するもの。それが一体感を生む価値観だ。

好機の流れを掴む

『甲子園には魔物が棲む』と言われている。実際に、7回以降で負けているチームがチャンスを迎えると、観衆のほとんどが負けているチームを応援しはじめる。この雰囲気は異様なもので、グランドの選手たちが『観衆全員が敵の応援団に見えた』と言うほど。球場全体が1つの生き物となり、歓声をあげ、どよめき、失意の声などの集まりが、1つの生き物にさえ感じる。甲子園で実際に試合を見ることでその流れを肌で感じることができる。流れを感じ、掴むこと。流れを味方にしたチームが勝ちを呼び込んでいる。

経営でも流れはとても重要である。基本的には、流れを感じ、流れに乗ることは高校野球と同じ。そのために、流れを読み取れる感性と、すぐに流れに乗るために行動できる整えられた組織力が求められる。流れとは一ヶ所には止まっていない。常に動き続けている流れ(時流)をしっかりと見抜き、積極的に対応できるかどうかが大きな成果に結びつく。

聖地を守る姿勢

第100回記念大会で初めて高校野球で凄いシーンを見た。それは、グランドに小さなゴミが舞い込んだときのこと。1回目はホームベース上のゴミを審判が拾った。そして2回目は、外野に舞うゴミを見つけた外野手が拾い上げ、自分のポケットに入れた。このシーンを見たときに、高校野球にとって甲子園が聖地であり、その聖地を選手だけではなく、関係者全員で守り、甲子園という聖地をつくっていると感じた瞬間だった。

聖地ということを、自分たちが生きる大切な場所ということで考えると、社会人にとっては会社と家庭がそれにあたるのではないだろうか。与えられた命を燃やして精一杯生きることが、仲間と一緒に会社を守り、そして、家庭を守ることができる。ゴミが落ちていたら拾い、関係者全員で聖地を守ろうとするそんな姿勢が、会社と家庭を守ることにもなる。そんな姿勢が社会人にも求められている。

不平等な戦いに勝つ

甲子園にはできるだけ1回戦の試合を見ることにしている。なぜなら、戦力が明らかに不平等なチーム同士が試合をするからだ。ドラフト候補の選手がいるチームもあれば、野球の神様に認められて幸運な形で甲子園に来たチームもある。明らかに不平等な戦力と言える。そんな、不平等な戦いに勝つために、様々な戦略や采配を奮っている。あきらめない活路を見出す姿勢には勇気をもらえる。

そもそも経営の方が不平等な戦いに勝たないといけない。創業の会社もあれば、100年続く会社もある。キャッシュが潤沢な会社もあれば、銀行からの融資に頼る会社もある。社員数が10人に満たない会社もあれば、100人を超える会社もある。このような不平等な戦いに勝ち続けることが経営には求められる。そのためにも、あきらめない姿勢、突破口を見つける目は、高校野球以上に必要と言える。

思考をリセットする

照り付ける真夏の日差し、泥まみれの選手たち、日焼けをした応援団、鳴り響く金属バットの金属音。第101回目を迎える甲子園では非日常を演出してくれる。台本などでつくられた結果ではなく、各試合では実力以外の流れや運にも左右されながら数々のドラマが生まれている。全力を出し切ること、あきらめない心など、これだけの気づきと学びが多く得られる、非日常の場所はなかなかない。

毎日会社で仕事をしていると、いつの間にか大切なことを見失ってしまうことがある。その思考をリセットするために、年間数回、非日常を体感するようにしている。社長仲間と一緒に参加しているフルマラソンでも思考はリセットされる。そして、夏の甲子園もアタリマエの思考をリセットしてくれる。思考がリセットされることで、大切なことの再確認ができ、社長である自分の背筋を伸ばしてくれる。

エネルギーを蓄える

高校野球の聖地である甲子園に来ることで、すごいエネルギーとパワーをもらって帰る。全国各地から駆けつけた人たちの勝利を願い、グランドに、その一球に想いを込めたエネルギーを体で感じる。さらに、試合では各都道府県を代表する選手たちがぶつかり合い、そこで昇華した勝利を願うエネルギーに溢れている。これだけ大きな力強いエネルギーの波動を体全体に浴びることができる貴重な場所と言える。

経営には多くの『気』が必要とされる。強気、人気、健気、気合、気迫、根気、覇気、勇気、雰囲気などが考えられる。これら全ては目に見えないもの。目に見えないものを身につけることは、とても難しいこと。甲子園では、エネルギーが大きいあまりに、目に見えないはずのこれら『気』を目の当たりにすることができる。大きな力強いエネルギーである『気』を蓄えて、また明日からの経営に努めたいといつも考えている。

最後に

テレビからは伝わらない、現地に行ってわかることがたくさんあります。

これは音楽のコンサートでも、スポーツのイベントでも同じことが言えます。

これから先、働き方改革によって、余暇の時間が増えていくでしょう。

せっかく増えた余暇の時間も、小さなスマホの画面を見て過ごす人生では、寂しいものです。

生・LIVEでしか味わえないことがたくさんあります。

たくさんのことを『知っている』人生よりも、少しのことを『やったことがある』人生に価値があります。

知識よりも体験が人生を豊かにします。

より多くの一流に触れる機会をどうか増やしてください。

それが、必ずといっていいほど、あなたの人生を豊かにしてくれるからです。

 

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この記事を書いた人

金村 秀一

金村 秀一

100年塾塾長・社長コンサルタント

社員数30人以下のヒト・モノ・カネの悩みを解決するための成功し続ける社長の経営塾”100年塾”を主宰。

経営塾”100年塾”は、飲食業界に関わらず、様々な業界の社長が全国各地から参加している。経営計画書・環境整備・斜めの関係という再現性の高い道具を使って、社員がイキイキと働きながら、社長の決定をすぐに実行する、高収益体質の会社づくりをサポート、生産性が高い強い経営ができる。