目に見えるモノから整える
環境整備で一番最初にやるべきことは、目の前にあるモノを徹底的に整えることです。組織全員でモノを整えることで、心を整えることができます。社員の意識やモチベーションなど目に見えないものに、はじめから着手するのではなく、まず、目に見えるモノを整えることからはじめます。
実際、モノの環境整備を実施する手順は次の通りです。
①日付と担当者と環境整備をする場所が書かれている『環境整備当番表』をつくる。
②毎日出勤後の15分間、計画に従って全員で環境整備を実施する。
③終了したら『環境整備当番表』にチェックする。
④気づいたことは改善をすすめる。
この4つのサイクルを毎日回していきます。
そして、月に一度の『環境整備点検』の日に点検チェックリストに基づいて、リーダーがチェックしていきます。
整理整頓とは捨ててから整えること
モノの環境整備における『環境整備をする』とは、具体的にいうと、整理・整頓・清潔の3つを行うことです。
環境整備をする上で、『整理整頓』の意味を知ることはとても重要です。整理整頓という言葉は、『整理』+『整頓』からできていて、『整理』の意味は『捨てること』、『整頓』の意味は『整えること』です。ですから本来の整理整頓とは、『捨ててから整えること』なのです。
モノが整理された状態が整ってから、はじめて整頓に取り組みます。モノの置き場所を決め(定位)、モノの名前(定品)と数量(定数)を表示して管理します。定品・定位・定数の3つを整えることを三定管理と言います。
まず最初に目の前にあるモノを必要最小限度までいらないモノや使わないモノを捨てること(整理)からはじめます。これらの整理・整頓により、目の前のモノの数が少なくなり、整っているため、何がどこにあるのかすぐにわかる状態になります。いらないモノや使わないモノがなくなることで、年間約150時間ものモノを探す時間が無くすことができます。
そして、最後が『清潔』。この言葉には、その整った綺麗な状態を『維持する』という意味があります。
毎日15分の環境整備が社員と会社を強くする
環境整備は一見、簡単そうに見えますが、実際にやって見ることで、頭ではわかっていたつもりでもなかなかできないことを知り、そして意識しないと続けられない過程を繰り返し、愚直に続けることではじめて無意識にできるようになります。
このようなプロセスを経て、社員が良い習慣を身につける環境が社内に整い、組織風土が形成されていきます。
毎日15分のモノの環境整備が社員の心を豊かにします。