金村
『52週経営』の5/52WEEKSが終了。
新しく通う近所の床屋がすごい
今日は週末に近所の床屋に行ってきた時に気づいた話。
これまでは銀座や有楽町まで行って、お洒落なお店で髪を切ってもらっていた。
でも、髪を切る時間がなかなか取れなくなったこともあり、近所の床屋にお店を変えた。
新しい床屋に行ってわかったことなのだが、実はこの床屋が結構すごいことに気づく。
夫婦2人でやっているものの、髪の毛を自動で洗ってくれる全自動シャンプーマシンが導入されていたりする。
さらに『環境整備』を知ってか、知らずか、店内のものが整っていることにも気づく。
随所に作業効率をアップする仕組みが隠されている
その代表例が、普通のお店であれば、切った髪をほうきとちりとりで片付ける。
でも、このお店には、そもそもちりとりがない。
なぜなら、床にほうきの先がちょうど入る幅の穴が開けられていて、切った髪は全てその床に収納されるようになっている。
だから、お店の人が両手を使ってほうきとちりとりを扱うことがなく、スムーズに髪の毛を片付けていく。
このような、僕の目から見ても『なるほど!』と思える仕組みが、店内の随所にある。
環境整備を指導している僕からすると、『他にも何かあるのでは?』とわくわくする気持ちは、子供たちがディズニーランドで隠れミッキーを探しているのと同じ気分だ。
『電話代10円』の小さな封筒
約1時間かけて無事に髪も切り終わり、お会計をレジで済ませる時にお店の人から小さい封筒を渡される。
それは、電話で予約をした人にくれる『電話代10円』の小さな封筒だった。
このお店には2席しか席がないので、1時間に2人しか髪を切ることができない。
そのようなこともあり、週末は予約でほぼ全ての時間が埋まり、その予約はほとんどが電話。
その電話代として、わざわざ親切に『10円』を帰りに渡してくれる。
たった『10円』だけど、この気遣いやおもてなし感が心を温かくしてくれる。
▲小さな封筒だと思って開いてみると、それは手作りでつくられた『電話代10円』専用の封筒だった。
アタリマエの再確認と徹底
今週の火曜日に実施した『戦略MG流通版』でも、一見すると価値がないものでも『付加価値』として加えることで、ライバルと差別化できる体験をしたばかり。
同じように、今回の『電話代10円』は価値としては決して高くはない。
でも、お店のご夫婦がしてくれる、このような気遣いやおもてなしができるお店と、長く付き合いたいと思うお客様だけがこのお店に来ている。
だから、自然とお客様との関係性も深くなる。話をしていればそれがよくわかります。
『電話代10円』のようなアタリマエのことを徹底してアタリマエに実行する。
もはやアタリマエになりすぎて、どこの会社でも見落としていることは多くあります。
そのアタリマエにスポットライトを当てて、改めて実施することで、ライバルとの差別化として活用することができる。
感性を高めて良いお客様と数多く取引をする
さらに、このような些細なアタリマエに気づいてくれるお客様とは、基本的に感性がよいお客様のことが多い。
そして、感性が良いお客様とは、価格の安さや値引きにそれほどこだわりがないことが多い。
つまり、不要な値引き交渉やわがままも少ないお客様ということ。
このような『良いお客様』と数多くお取引をすることが、強い会社をつくるためには重要だと言える。
お客様を『差別』することは失礼だが、『区別』しないのも失礼だと言える。
『良いお客様』と数多く取引するために、店舗や会社、そして、そこで働く人たちの感性を高める。
感性の高い人材が実施する、感性のよいことがらが、よいお客様を引き寄せていく。
その結果、職場の環境、空気、業績はプラスのスパイラルで上昇していく。
たかが、『電話代10円』と思わずに、このような感性のよい気遣いやおもてなしで、『良いお客様』を捕まえてみてはいかがだろうか。