各社員の思い込み『我流』が生産性を悪くする
小さな会社では、マニュアルやチェックリストなどの型が整っていない会社が多い。その結果、多くの業務が上手くいっているように感じるが、一定の型が無いために各社員の思い込みによる『我流』になってしまう。
各社員の考え方は違う。そのために、仕事のゴール(目的)さえ理解していれば、ゴールまでのプロセスにあたる手段は各社員に任せた方がいい。このような考えは果たして正しいのだろうか。
そもそも、会社とは長い月日経済活動を続けて来ている。その過程で、何度も同じ仕事を過去の先輩社員たちが実際に行なっている。その中でも、改善活動が行われて現在の形になっているはずだ。それを入社数年の社員が、その都度、自分の考えでプロセスを変えることで果たして上手くいくのだろうか。
プロセスを考えた方がいい仕事と、型の通り素早くやるべき仕事があることを理解すべきである。素早くやるべき仕事のプロセスを各社員が探し、考えるほど無駄な時間はない。ルーティーン業務に至っては、型を使って徹底的に整えることだ。ルーティン業務を『我流』で変えられることほど生産性に悪影響なものはない。
整理整頓の効果は絶大
無意識の中で『整理整頓』が行われていることに気づくことから全てははじまる。その上で、整理整頓をしているのとしていないのとではどれほどの差があるかを具体的な数字で知ることで、『整理整頓』の重要性に気づいてもらう。
整理整頓とは、『整理』(目の前にあるモノを必要最小限度までいらないモノや使わないモノを捨てること)と『整頓』(最小限度にまで減ったモノを必要な時にすぐに手に取れるように、何がどこにあるかすぐにわかる状態に整えること)を実践すること。
このような環境を整えることで、悩む時間やモノを探す時間を最小限にすることができる。
探す・考える時間をなくすことで生産性は高まる
「整理」と「整頓」で「探す時間・考える時間をなくすこと」ができる。
必要最小限度にまで仕事を減らし、順番を決め整えることで、モノを探す時間や次に何をやるか考える時間を圧倒的に減らせる。
ある調査によると、モノやPC内のファイルなどを探す時間が一人あたり年間152時間というデータがある。8時間労働で換算すると年間で約19日間探す時間に当てられていることになる。
週休2日制と考えると、12ヶ月のうち1ヶ月が探す時間で使われていることになる。会社全体の人件費1ヶ月分が探す時間・考える時間で使われていることがわかる。
仕事の「整理」と「整頓」を徹底することで、これだけの時間とコストが生まれることになり、効率的生産性が確実に向上する。