まず最初に社員が取り組むべき生産性向上を考えてみましょう。
社員が取り組むべき3つの効率的改善
社員が取り組むべき生産性とは、言葉を変えれば『効率的』な意味です。同じ仕事量をどれだけ少ない人数、時間でこなすことができるか。どれだけ少ない工程で完成できるかなど。
そもそも生産性とは、業界によって生産性の傾向には違いがあります。基本的には、製造業や不動産業は生産性が高く、サービス業は生産性が低い傾向があります。
サービス業の生産性が低いのは、付加価値・設備投資は高い水準にあるものの、多くの社員を割かなければならない労働集約型の産業の特徴を持つからです。多くの人員を割くために、結果一人当たりの生産性は低くなる。
サービス業の割合は80%超と50年前の製造業の割合と逆転しています。このように生産性の高い製造業からサービス業への労働力人口の異動が進めば、全体的な生産性は低下する傾向にあります。
そのような状況の中で、「効率的」な生産性を向上させるキーワードは、①整理②整頓③ダブルキャストです。
キーワード①:整理
ここでいう「整理」とは、必要最小限度までいらないモノや仕事を捨てることです。簡単なように聞こえますが、これが兎に角難しい。
今やっている仕事全てが必要で、無駄なものはないと思って日常仕事をしているからです。
仕事捨てることができるのは社長と上司です。日頃から部下の仕事に関心を持ち、必要のない仕事を捨てさせること。いらない仕事が見つかり削減されることで、時間が生まれ新たな仕事に取り組めます。
キーワード②:整頓
次のキーワードは「整頓」。
これは必要最小限になった仕事に順番を決め、順番通りに仕事を進めること。
「仕事上手は整頓上手」と言われるほど、仕事の順序を整えることで仕事の成果、生産性は大きく変わります。
効率的な生産性とは、決められた時間の中で、どれだけの成果を上げることができるかということ。つまり、数多くの仕事を手当たり次第進めることが求められる。
ここで重要になってくるのが、「次に何をするか」がはっきりしていること。
数多くの仕事をすると仕事と仕事の間に「次は何をしようか」という考える時間も数多く生まれます。実はこの考える時間も塵も積もれば山となり、生産性を下げる理由になっている。
自分でやること、仲間に任せること、アウトソーシングすることなどの順番が決めて整えてあることで、考える時間は短くなり、本人も驚くほどの仕事を進めることができます。
探す・悩む時間をなくすことで生産性は高まる
「整理」と「整頓」で解決できることがあります。それは「探す時間をなくすこと」です。
必要最小限度にまで仕事を減らし、順番を決め整えることで、モノを探す時間や次に何をやるか考える時間を圧倒的に減らすことができます。
ある調査によると、モノやPC内のファイルなどを探す時間が一人あたり年間152時間というデータがあります。8時間労働で換算すると年間で約19日間探す時間に当てられていることがわかります。
週休2日制と考えると、12ヶ月のうち1ヶ月が探す時間で使われていることになります。会社全体の人件費1ヶ月分が探す時間で使われていることになります。
仕事の「整理」と「整頓」を徹底することで、これだけの時間とコストが生まれることになり、効率的生産性が向上します。
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