マラソンのための自重トレーニング【まとめ】

前回の大会前に30週間にわたって1,000㎞を超えるランニングトレーニングをしてから、本大会に望んだ。しかし、そのマラソン大会のコースコンディションがハードだったこともあり、ベストタイムを更新することができなかった。このようなこともあり、次の大会に向けて、走るトレーニングだけではなく、鍛えるトレーニングをプラスする。

フルマラソンを走った後に、肩や腰が張るという悩みは、鍛えるトレーニングをプラスすることで解消することができるようだ。そもそも、フルマラソンを走るランナーとしてはウエイトがある方なので、ケガ防止のためにも日頃から意識してしっかりと取り組んでいく。

そもそもマラソンとは下半身にだけ注意がいきがちだが、実は全身運動なのだ。全身をバランスよく動かすことができると、さらにスムーズに、速く、体を動かすことができるようだ。

また、ダイエット効果を高めたい時も、走るトレーニングと鍛えるトレーニングとの組み合わせは有効になり、筋肉に刺激を入れ、基礎代謝を高めることで、日常生活で燃焼するカロリーを増加させる。

鍛えるトレーニングの中でも、『体幹』を鍛えることで、マラソンのパフォーマンスを向上させることができる。なぜなら、体幹を整えることでブレなく、体に芯が入って美しく走ることができて、体への負担が少なくなり、無駄なく走れるので疲れづらくなる。さらに、体幹の中の『コア』と呼ばれる部分が弱いと、膝や腰を痛めるリスクが高くなる。この『コア』を鍛えることで膝痛や腰痛が起こりにくくなるようだ。

私が自宅で行なっているフルマラソンのための『自重トレーニング11選』をここで紹介します。

①ノーマルプッシュアップ

画像出典:TOREMO

【 効果 】
原点にして最強のトレーニング。体幹を鍛えることと肩甲骨の可動域を広げることが同時に行える。ランニングで走るために使うのは脚ですが、上半身の安定した動きはとても重要。特にカラダの背面の筋肉は、長距離の後半は欠かせない。
大胸筋・上腕三頭筋

【 やり方 】
1. 肩幅より広め(1.5倍)に両手をつく。手は少し外向きにする。
2. 足をしっかりと伸ばし、腕とつま先で体を支える。
3. 目線は顔から1メートル先を見る。
4. ゆっくりと肘を曲げて体を下ろす。1秒キープ。
5. 床につかないくらいまで深く体を下ろしたら、胸に力を入れて体を持ち上げる。
6. 4〜5の動作を20回繰り返す。

【 注意点 】
※ 体のラインを一直線に真っ直ぐにキープする。
※ 体をゆっくりと深く落とす。
※ 肘を外に広げない。
※ 指ではなく、手首で地面を押すイメージで行う。
※ 呼吸を止めないでトレーニングする。
※ インターバルは30秒以内にする。

【 セット数 】
左右20〜30回を3セット

②スクワット

画像出典:Smartlog

【 効果 】
スクワットで鍛えることができる筋肉が広範囲に及ぶこともあり、鍛えることで基礎代謝が大幅に上がり太りにくい体を手にすることができる。走る時に地面からの力を受け止めるのが大腿筋。この大腿筋と連動して動き、足を前に出す働きをするのが股関節。この2つの動きがスムーズだと理想的なランニングフォームがつくれる。
大臀筋・大腿四頭筋・ハムストリング・脊柱起立筋・腹筋

【 やり方 】
1. 体を正面に向け足を肩幅程度に開く。
2. つま先は広げずに真っ直ぐ前に向ける。
3. 息を吐きながら、股関節からゆっくり腰を落とす。お尻と腹筋がしっかり伸びるように、背筋も伸ばして行う。
4. 太ももと地面が平行になるまでしっかり下げる。その場で2〜3秒キープ。
5. 息を吸いながらゆっくり1の基本姿勢に戻る。椅子に座り立ち上がる要領。
6. 3〜5の動作を15回繰り返す。

【 注意点 】
※ 胸を張り、背中を反らせる。
※ お尻を突き出すように、腰を下げる。
※ 膝がつま先よりも前に出ないようにする。
※ つま先と膝が同じ方向を向いていない。
※ 目線はやや上を見るようにする。
※ しゃがむ時に鼻から吸う、立つ時に口から吐く。

【 セット数 】
20〜30回を3セット

【 バリエーション 】
ジャンプスクワット

画像出典:Smartlog

ジャンプ動作を行うには、スクワットで立ち上がる際に使う筋肉を爆発的に収縮させて痛く必要があるため、通常の自重スクワットの刺激に慣れてしまった人にオススメ。

また、自重スクワットと違い、足首の動作が加わるため、ふくらはぎの筋肉である下腿三頭筋の中でも、瞬発力を担う腓腹筋をより大きく使う。その分、足関節と膝関節に大きな負担がかかってしまうので、注意した取り組みが必要。

③スプリットスクワット

画像出典:美容男子

【 効果 】
ランニングに必要な下半身の筋持久力を向上させるためのトレーニング。
大腿四頭筋・内転筋・ハムストリングス・脊柱起立筋・大臀筋

【 やり方 】
1. 足を肩幅に開き、その後、前後に大きく開く。後ろ足のかかとは少しあげる。
2. 胸を張って背筋を伸ばし、顔は正面を向く。
3. 上半身が前後左右に倒れないようにバランスを意識しながら、前足の太ももが床と平行になるまで体をまっすぐ下に下ろしひざを曲げる。
4. 3〜5秒ほどかけて沈み、同じ時間で元の位置に戻す。左右の足を入れ替えて同様に行う。

【 注意点 】
※ 足を曲げた時、前に出している足のひざがつま先より前に出ないようにする。
※ 前足のつま先とひざが同じ方向を向いていることを意識する。

【 セット数 】
10〜20回を3セット

【 バリエーション 】
フロントランジとの違い。
スプリットスクワットは、前後に足を開いた状態で、足を組み替えずに上下するトレーニング。
フロントランジは、上記の3番の姿勢になる点までは一緒ですが、その姿勢から直立に戻り、左右の足を入れ替えてもう1度三番の姿勢になる。フロントランジの方が不可がありつつ、有酸素運動よりのトレーニングとなる。また着地動作が多いため、膝への負担が高くなる。膝の状態を考慮してトレーニングを選択する。

④ロールダウン

画像出典:Smartlog

【 効果 】
ロールダウンは、主に腹直筋下部を刺激するトレーニング。体幹をコントロールする力がアップする。ゆっくり行うことでより強度が増すので、自分のレベルに合わせて、負荷を調節する。
腹直筋

【 やり方 】
1. みぞおち部分に両手を重ねて体育座りになる。足の角度は90度。
2. おへそを覗き込むように背中を丸めながら、10秒かけて息を吐きながら、ゆっくりと地面に倒していく。
3. 頭は完全にづけず、肩甲骨がついた時点で起き上がる。
4. この同じ動きを20回繰り返す。

【 注意点 】
※ 慣れないうちは、起き上がる時に腕の力を使う。
※ フォームのポイントは、体をゆっくりと地面に倒していくこと。
※ 腹筋に力を入れ、逆に、刺激する腹筋以外はできる限り力を抜くこと。
※ カラダを下ろすときに背骨を1つずつ床につけていくイメージで背中を丸めていく。

【 セット数 】
20〜30回を3セット

⑤レッグツイスト

画像出典:Smartlog

【 効果 】
腹斜筋と腹直筋を重点的に鍛えられる体幹トレーニング。カラダを絞る動作になっているため、上半身と下半身の動きを分離でき、無駄な筋肉を使わずにバランス感覚が養える。
腹斜筋・腹直筋

【 やり方 】
1. 仰向けになって寝っ転がる。
2. 手のひらを下に向けて、両脇に軽く開いて、体を支える。
3. 両足を真っ直ぐ上に上げて、膝を閉じる。
4. 両足を閉じたまま、右に振っていく。この時上半身は固定する。
5. ギリギリまでに右側に振り、停止する。
6. ゆっくりと元に戻していき、左側に傾ける。
7. 3〜6の動作を20回繰り返す。

【 注意点 】
※ 腹筋をしっかりと収縮させて、最大のところで停止する。
※ 動作はゆっくりと行う。
※ 上半身に力は入れず、肩は床につけたまま、顔は常に真直ぐ上を向く。
※ 腹筋を常に意識し、雑巾を絞るイメージで腹筋に効かせる。
※ インターバルは30〜60秒ほど取るようにする。

【 セット数 】
左右20〜30回を3セット

⑥プランク

画像出典:lifehacker

【 効果 】
ランニングに必要な持久系体幹力をつくり、理想的な姿勢と動きのベースをつくるトレーニング。長時間プランクの姿勢を維持するために、お腹周りを中心に腰から首にかけての背中の筋肉、そして、お尻の筋肉を向上させる。
腹直筋・腹斜筋・服横筋・三頭筋・四頭筋・脊柱起立筋・大臀筋

【 やり方 】
1. うつ伏せの状態から両肘を床につけ体を持ち上げる。
2. 支点は、両肘と両足のつま先に置く。
3. 両足の間隔を狭めるとよりハードになるので調整する。

【 注意点 】
※ 腰を落とさないで、頭からかかとまでが一直線にまっすぐになるようにする。
※ 目線は斜め前にして、自分が一枚板になったと意識する。
※ 強度を下げる時は膝をついても良い。

【 セット数 】
60秒を3セット

⑦サイドプランク

画像出典:美容男子

【 効果 】
ランニングはカラダのひねりを伴いますので、腹斜筋を鍛えることで上半身と下半身の連動が滑らかにするトレーニング。
腹斜筋・腹横筋・中臀筋・腰方形筋

【 やり方 】
1. 横を向いて片腕と片足先の側面で体重を支えて体を持ち上げる。
2. 上の腕は、上にまっすぐ伸ばしてこの姿勢をキープする。
3. 両足の間隔を狭めるとよりハードになるので調整する。

【 注意点 】
※ プランク同様、腰を落とさないで、頭からかかとまでが一直線にまっすぐになるようにする。
※ 筋力バランスが崩れないよう、左右セットで行う。

【 セット数 】
10〜30秒を3セット

【 バリエーション 】
サイドプランク・レイズレッグ
サイドプランクを行う時に、上側の足を伸ばしたまま上げて維持する(足を開くイメージ)バージョン。
上側の足を上げることで、下側だけではなく上側の中臀筋も同時に強化することになり、また、お腹周りの筋肉もより活性させた状態で使うことになるため、通常のサイドプランクの難易度が全体的に高くなったバージョンとなる。

⑧ニートゥエルボー

画像出典:TRANING MASTER

【 効果 】
腹直筋、腹斜筋、腸腰筋を重点的に鍛えられるトレーニング。また、腹斜筋と一緒に体感も鍛えることが可能で、筋肉のつきやすい肉体をつくることができる。上半身を引き締めることで走りの安定性にも繋がる。
腹斜筋・腹直筋・腸腰筋

【 やり方 】
1. 足を肩幅ほどに開いて立ち、両手は頭の後ろに持っていく。
2. 右膝と左肘をクロスさせるように上げてタッチさせ、腹筋を収縮させる。
3. しっかりと収縮させたら、ゆっくりと元に戻る。
4. 反対側の膝と肘も同様に行う。
5. 2〜4の動作を20回繰り返す。

【 注意点 】
※ 限界まで腹斜筋と腹直筋の収縮を感じるようにする。
※ 猫背にならない。顔を上げ、姿勢を保つ。
※ 膝は腰よりも高く上げて、肘はひねる程度にクロスさせてタッチさせる。

【 セット数 】
左右20〜30回を3セット

⑨ダイアゴナル

画像出典:WOLF

【 効果 】
ダイアゴナルは体幹トレーニングの中でも、より集中的に体幹を鍛えられる人気のトレーニング。
体幹の筋肉を使って一定の姿勢を保つ『体幹支持トレーニング』と呼ばれ、他あしい姿勢を保つ能力である『姿勢支持力』を高める効果に優れている。
腹直筋・腹斜筋・三角筋・大臀筋・ハムストリング

【 やり方 】
1. 両手は肩の真下におき、両膝は腰の下に来るように四つん這いの体勢になる。
2. しっかりとお尻から首筋までまっすぐをキープする。基本姿勢。
3. 右足と左手を同時に上げていき、背中と同じ高さで10秒間キープする。
4. 手ー肩ーお尻ーひざ裏ーくるぶし、のラインが一直線で結ばれるイメージ。
5. ゆっくりと下ろしていき、今後は逆の足と手で行う。

【 注意点 】
※ ダイアゴナルのフォームで最も重要なポイントは、手足を背中と同じ高さでキープすること。これにより体幹が鍛えられる。
※ 伸ばした時の手のひらは内側に向ける。
※ 上げている足はカカト部分でグッと地面を蹴るようなイメージで伸ばす。

【 セット数 】
10〜30秒を3セット

【 バリエーション 】
ダイアゴナルのバリエーションとして、片膝を地面につけたままではなく、両膝を地面から離して対角線上の腕と脚を伸ばし、その姿勢を維持する方法もある。

画像出典:Smartlog

両膝を浮かせていることもあり、よりバランスを取るための難易度が上がるのが特徴。さらに、軸足に関しては、大腿四頭筋を働かせる必要があるので、太ももの前後を引き締めていく効果も期待できる。

⑩スーパーマン

画像出典:Women’sHealth

【 効果 】
カラダの軸を安定させてバランス感覚を養い、美しい背中の筋肉をつくる体幹トレーニング。
背中だけではなく、ヒップアップや太ももの引き締めにも効果が期待できる。
脊柱起立筋・広背筋・臀筋群・大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋

【 やり方 】
1. 床に腹ばいになり、おへそを背中へ近づけるイメージでお腹に力を入れる。
2. 両手両足をまっすぐに伸ばす。
3. 足はももの付け根あたりから、腕は胸の下あたりから床が離れるくらいまで引き上げる。
4. 3の体勢を30秒キープしたら戻す

【 注意点 】
※ 手足はまっすぐに、できる限り高く伸ばす。
※ 伸ばした時の手のひらは内側に向ける。
※ 腹筋を意識してトレーニングすることで効果は高まる。

【 セット数 】
30〜60秒を3セット

⑪カーフ・レイズ

画像出典:Spollup

【 効果 】
ランニングに大きな影響を与えるふくらはぎの筋持久力を向上させるためのトレーニング。ふくらはぎの筋肉は、太ももなどの筋肉などと違い、なかなか鍛えづらい筋肉のひとつ。ふくらはぎは第2の心臓とも呼ばれ、鍛えることでカラダの血流の循環をよくし、冷え性や貧血などの改善や予防などにも効果がある。
腓腹筋・ヒラメ筋・下腿三頭筋

【 やり方 】
1. 足を肩幅程度に開いて、背筋を伸ばして台などの上に立つ。
2. その姿勢を保ったまま、つま先に体重を乗せる。
3. ゆっくりとかかとを上げ、ゆっくりと下ろす運動を繰り返す。

【 注意点 】
※ かかとを上げる時、足の親指の付け根でしっかりと床を踏むように意識する。
※ 膝は曲げずに真っ直ぐのまま行い、ふくらはぎが伸びている感覚があるところまで伸ばす。

【 セット数 】
10〜20回を3セット

自重トレーニングの効果を倍増させるやり方とは

自重トレーニングとは、自分の体重を負荷にして行うトレーニング。つまり、肉体への負荷が全て均等になるため、そこを踏まえて、注意すべき5つのポイントは次の通り。

効果的なやり方① 回数を多く行う
負荷が一定のトレーニングのため、負荷が少ない分は回数で行う。限界まで行うと効果的。

効果的なやり方② インターバルは短く
セット間のインターバルが長いと筋肉が休み切ってしまい、筋肥大の効果が薄くなってしまうので、インターバルは30秒以内にする。

効果的なやり方③ ゆっくりとした動作で行う
リズムよく早い動作で行わずに、ゆっくりとした動作で筋肉をしっかり収縮、緊張させる。スピードを抑えて行うと効果もその分上昇する。

効果的なやり方④ 定期的に行う
負荷が弱い自重トレーニングはその分回復も早いので、定期的にトレーニングをして、筋肉が休養しすぎないように心がける。最低でも週に3回、自宅でも出張先でもできるので、毎日もオススメです。

効果的なやり方⑤ 常に鍛える場所を変える
毎日同じ筋肉を鍛えてしまうと、バランスの悪い体になってしまう。毎日違う部分の部位を鍛えて、バランスのとれた肉体を目指す。曜日で鍛える部分を分けると効率的に取り組める。

 

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