ワールドカップVARシステムが教えてくれたこと

連日熱い闘いが繰り広げられているワールドカップ。普段は”早起き早寝”の私も、ワールドカップが始まってからはライフバランスが崩れている。そこまでしてでも、4年に1度のサッカーの祭典を楽しみたいからだ。

今回のロシア大会からある仕組みが導入されワールドカップが大きく変わった。そのある仕組みとは、VAR(ビデオ・アシスタント・レフリー)だ。

このVARを使って主審が判定を下した経緯についてスタジアムにある巨大スクリーンでリプレイ映像とともに、説明文付きで表示されるようになっている。これまでは主審のみがリプレイ画像を確認し判定を下していた。

そのために選手たちや監督、スタジアムにいるファンなどは、どのように判定が下されたのかを理解することができず、この点が問題視されていただけに、大きな改善と言える。

『VARの導入によってPKが増えた』という人もいる。確かに数は増えているかもしれない。でも、それはリプレイを見ての結果だから紛れもない『事実』なのであり、仕方がないことだ。

ある番組では、ゲーム中に主審が正しく判定できるのはプレーの93%であるというデータがあると話していた。これまでのワールドカップの歴史の中では、残りの7%で大きく試合が変わり、歴史が変わってきた過去がある。

1986年のメキシコ大会の準々決勝アルゼンチン対イングランド戦でのマラドーナの神の手。
2002年の日韓大会のイタリア対韓国戦の不可解は複数の判定。
2010年の南アフリカ大会のイングランド対ドイツ戦のノーゴール判定。

これまでの大会では、たった7%のジャッジで試合の流れが大きく変わってきた。ある意味、事実に基づいた判定よりも、主審の裁量に任せられていた判定といえる。

『PKが増えた』という見解があるのと同様に、私自身は『シミュレーションが減った』と今大会を見ている。シミュレーションとは、ファウルをされたふりをして主審を騙そうとするとある。今大会南米のチームが苦しんでいるのは、これによるものも大きいと考えている。

実際、22日に行われたブラジル対コスタリカ戦では、スコアレスで迎えた79分、ネイマールへのファールを認め一度はPKを宣告したが、その後主審がVARによる再確認で判定は覆り、PKは取り消された。

スポーツでも経営でも『事実はひとつ解釈は無限大』である。事実を的確にスピーディーに把握できることで、主審として、社長として、正しいジャッジが早くできる。そのための仕組みがピッチにあるか、社内にあるか、ここに大きな差が生まれる。

正しい汗をかいてきた選手、社員がたった7%の事実とこなる誤審により、これまでかいてきたその汗を無駄にしてはいけない。サッカーで言えばシミュレーション、会社で言えば知的で多弁な言い訳だ。これらにより本来あるべき素晴らしい試合、素晴らし社内環境を壊してはいけない。

そのためにもVARのような事実を把握する仕組みは、サッカーをより熱く楽しいものにしてくれていると、サッカーを長年愛するひとりとして強く感じている。

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