金村
これまで500人を超える社長を見ていると、ある理不尽なことに気づきます。良いことや運が、同じ人にばかりやってくるように見えることです。これは単なる偶然でも、気のせいでもなく、実は、科学的な実験で証明されていることなのです。
ある実験が行われました
『サバイバークラブ』という書籍に、ある実験が解説されています。
実験の参加者に新聞を渡して、『全体の紙面に写真が何枚あるか?』を数えさせる実験です。
実験は、どれくらいの時間で終わるかストップウォッチで時間が計られます。
物の数秒で作業を終える人もいれば、2、3分かかる人もいます。
この違いは、その人の数える速さに関係あるのではありません。
秘密は、新聞の第2面に大きく掲載されたメッセージにあります。
『数えるのをやめなさい。この新聞には、43枚の写真があります。』
驚くべきことに、第2面に大きく掲げられたこの見出しを多くの人は見逃します。
写真を数えるのに夢中で、文字に気がつかないためです。
機会(チャンス)に気づき反応できるかどうか
この実験は、自分の周囲で起こるランダムなチャンスに反応できる人か、そうでないかを図ることが目的だったのです。
ランダムなチャンスに反応できる人は、『運がいい人』と言われます。
偶然の機会を見逃してしまう人は、『不運な人』と言われます。
この実験には、もう一つ大きく書かれたメッセージがありました。
『数えるのをやめて、この文字を見たと実験者に言えば、あなたは250ドルもらえます!』
ここでも、『不運な人』たちは、写真を数えるのに熱中しています。
メッセージを見もせず、250ドルを手に入れるチャンスを失うのです。
対照的に、『運がいい人』たちは、このチャンスに目を留め、賞金を手に入れています。
スタンスの違いで結果は大きく変わる
『運がいい人』たちは、いつでもゆったりと構えて、人生の可能性をオープンに受け入れています。
『不運な人』たちは、ぴんと張り詰め、言われたことだけに閉じこもりがちなのです。
このように、運がいいことが、同じ人に繰り返しやってくるのには、明確な理由があったのです。
『時間効率』よりも『機会効率』を重視する
現在の目の前の作業に囚われずに、未来のチャンスに目を開いでおく。
つまり『時間効率』ではなく、『機会効率』で考えているのです。
『運がいい人』は、『時間効率』で物事を見ていません。
『運がいい人』は、『機会効率』で物事を見ています。
『機会効率』のレバレッジを最大化にする
機会を探し、機会を活かすことを、計画の中心に据えるものがチャンスをつかんでいるのです。
『時間効率』のレバレッジは、実は微々たるものです。
『機会効率』のレバレッジは、時に人の想像をはるかに超える巨大なものになるのです。
人生を『時間効率』ではなく、『機会効率』で考えると幸運は一気に回りはじめるのです。
整っている人が優れた機会を手に入れる
このように『時間効率』を意識した努力よりも、『機会効率』を重視した機会の大きさで成果は大きくなります。
ここでもう1つ知っておくべき事実があります。
それは『大きな勝利の90%は、あなた以外の要素で決まる』ことです。
『個人的な努力』よりも、『外部の機会活用』こそが大きな差を生み出すということです。
ですから、『優れた機会の発見』が何より重要なのです。
そして、次に、その『機会』を確実に摘み取ることが大切なのです。
常に、心を整え、力を蓄えながら、最高の機会に備える。
準備がしっかり整っている人が、最終的に『優れた機会』を掴むのです。