整理整頓を実践することは、素直な社員を育てる最高の社員教育

『整理整頓』。

この言葉自体は小学生の時から学校や自宅でよく聞かされてきた言葉だ。経営者として来期25期目を迎えるにあたって、改めてこの『整理整頓』が社会人にとても重要であることを強く感じる。

『整理整頓』が社員から抵抗にあうのは想定内

社会人になって会社で『整理整頓を徹底する』ようなことを言われると、『今さら、整理整頓?』『整理整頓したら数字が変わるの?』など、会社の方向性と違った回答をする社員が出てくる。これらの抵抗は想定内であり仕方のないこと。

抵抗してくる理由は、本来の『整理整頓』の意味をこれまでの人生の中でしっかり教えてもらう機会がなかったからだ。一度、しっかり社会人にとっての『整理整頓とは何か』を学ぶことで、人生も仕事も大きく変わるといっても過言ではない。

日常無意識に行なっている『整理整頓』に気づく

例えば、営業の仕事をしていて新規のお客様に訪問することになったとする。その時、あなたはどんな行動を取るだろうか。何も調べることなく、お客様のところに訪問するだろうか。

きっと、お客様のホームページを見て業務内容や情報をチェクして、本社住所を検索して場所を確認し、最寄りの駅を探して、その最寄り駅までに何時にどのように行くかをスマホ、または、パソコンでチェックしてから行くだろう。

無意識に行なっているこれらの行動も、下調べをせずに行動することで起こる『無駄な動き』を捨てる(整理)するために、様々な情報を調べる。そして、どの時間でどの方法で目的地に向かえばいいか『最適な情報』を整えて(整頓)している。

このような整理整頓を日常のあらゆる場面で無意識にしている。今日のランチを選ぶ時も、どんな会話をしようか考える時も、1日のスケジュールを立てる中でも行なっている。

『整理整頓』の効果は絶大

無意識の中で『整理整頓』が行われていることに気づくことから全てははじまる。その上で、整理整頓をしているのとしていないのとではどれほどの差があるかを具体的な数字で知ることで、『整理整頓』の重要性に気づいてもらう。

整理整頓とは、『整理』(目の前にあるモノを必要最小限度までいらないモノや使わないモノを捨てること)と『整頓』(最小限度にまで減ったモノを必要な時にすぐに手に取れるように、何がどこにあるかすぐにわかる状態に整えること)を実践すること。

このような環境を整えることで、悩む時間やモノを探す時間を最小限にすることができる。ちなみにこれら探す時間はひとりあたり年間約150時間あると言われている。1日8時間労働と考えると19日間出勤した時間と同等になる。

継続力こそが未来の会社の価値となる

人間は視覚から83%の情報を得ている。そのため、目に見えるモノが整いはじめることで、目に見えない仕事も整いはじめる。それほど私たちは視覚情報に左右されている。目に見えるモノを整えることで、いつの間にかアタリマエになっている無駄な仕事『仕事メタボ』を防ぐことができる。

目に見えるモノを整えることは誰にでもできること。モノは右から左、左から右へ移動すれば必ず動く。このように確実にできることをコツコツとやり続けることで、小さな成功体験を積むことができる。即効性は無いにしろ、このような愚直なことを実行させることで素直な社員が育つ。

『整理整頓』の意味や成果などを考えすぎるよりも、コツコツ実行することに価値がある。仕事は瞬発力で大成した人はいない。継続力こそが未来に大きな成果を生みます。そのためにも、会社の方針・決定を素直にコツコツ行動する社員をどれだけ育ていることができるかが、会社の価値と言える。

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    この記事を書いた人

    金村 秀一

    100年塾塾長・社長コンサルタント

    社員数30人以下のヒト・モノ・カネの悩みを解決するための成功し続ける社長の経営塾”100年塾”を主宰。

    経営塾”100年塾”は、飲食業界に関わらず、様々な業界の社長が全国各地から参加している。経営計画書・環境整備・斜めの関係という再現性の高い道具を使って、社員がイキイキと働きながら、社長の決定をすぐに実行する、高収益体質の会社づくりをサポート、生産性が高い強い経営ができる。