金融機関が好む企業の特徴:中小企業の融資戦略を徹底解説

金村
中小企業の多くの社長は、お金が足りなくなってから銀行に融資を依頼します。そうではなく、業績が好調な時にこそ融資をお願いする。その理由をまとめてみました。

中小企業の融資戦略

中小企業の経営では、「業績が好調なときこそ借入れをするべき」と言われると、意外に思われるかもしれません。しかし、これは実は賢明な経営戦略なのです。なぜなら、金融機関は安定した企業を好み、そのような企業には低金利で融資を行う傾向があるからです。今回は、金融機関との良好な関係を築き、有利な条件で融資を受けるためのポイントをご紹介します。

金融機関の思考を理解する

金融機関の融資審査部は、一般的に格付けが3~5の安定した会社を好みます。しかし、こうした企業への融資は金利が低くなりがちです。一方、格付け6~8の成長が期待できる企業には、高めの金利で融資をすることで利益を得ようとします。つまり、安定性と成長性のバランスが重要なのです。

融資を受けやすくする4つの条件

①取引実績の積み重ね
金融機関は「継続性」を重視します。決算書、試算表、計画書などの提出や、定期的な報告を通じて信頼関係を築きことが大切です。

②高い返済能力の証明
金融機関は「儲かっているか」よりも「現預金を持っているか」を重視します。月商の3倍程度の現預金を確保することで、支払い能力の高さをアピールできます。

③スリムな財務体質の維持
売掛金や在庫を最小限に抑え、余分な資産を持たないことが大切です。仮勘定、社長借入金、社長貸付金などは避けるべきです。資産の部の勘定科目を少なくし、「未」や「仮」のつく勘定科目をなくすことで、金融機関の信頼を得やすくなります。

④高い透明性の確保
経営計画書の提出、経営計画発表会の開催、定期的な銀行訪問を通じて、情報開示に努めましょう。

金融機関との上手な付き合い方

単に自社の都合だけで交渉するのではなく、金融機関側の事情も考慮することが重要です。支店や支店長の立場に立って考え、彼らの貸し出しノルマに協力的な姿勢を示すことで、良好な関係を築けます。

タイミングの重要性

業績が好調なときこそ、借入れを検討するべきです。なぜなら、

– 財務状況が良好なため、有利な条件で融資を受けられる可能性が高い
– 将来の不測の事態に備えて、資金的な余裕を持つことができる
– 設備投資や事業拡大のチャンスを逃さない準備ができる

具体的なアクションプラン

– 月次で財務状況を確認し、現預金の水準を常に把握する
– 定期的に取引金融機関を訪問し、経営状況を報告する
– 経営計画を策定し、金融機関に提出・説明する機会を設ける
– 不要な資産や在庫を定期的に見直し、スリムな財務体質を維持する
– 業界動向や経済情勢を注視し、好機を逃さず融資交渉を行う

まとめ

金融機関との関係構築は中小企業経営において非常に重要です。業績好調時にこそ借入れを検討し、将来に向けた強固な財務基盤を築くことが、長期的な企業成長につながります。常に先を見据えた経営戦略を立て、金融機関と Win-Win の関係を構築することで、御社のさらなる発展が期待できます。


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