中小企業への融資にあたり、銀行はどのような部分をチェックしているのでしょうか。
金融機関への効果的なアプローチ方法
多くの中小企業の社長は、「金融機関はなかなかお金を貸してくれない」と思っています。しかし、実際はそうではありません。金融機関は、むしろ積極的に融資を行いたいと考えています。なぜなら、銀行員、特に支店長の評価は、新規融資や融資増加額に大きく左右されるからです。
この事実を理解し、活用することで、あなたの会社の資金調達戦略は大きく変わる可能性があります。ここでは、金融機関の内部事情と、それを踏まえた効果的なアプローチ方法をご紹介します。
金融機関の決算サイクルを理解する
金融機関では、通常3月と9月に決算を迎えます。この時期が近づくにつれ、支店長たちは「どこかに貸し出せる会社はないか」「決算までにノルマを達成したい」と必死になります。つまり、2月〜3月と8月〜9月は、融資を受けやすい絶好のタイミングなのです。ですから、この時期を狙って融資の相談をすることで、より好条件での交渉ができる可能性が高まります。
積極的な銀行へのアプローチ
金融機関の決算期前になると、「貸し出しは足りていますか? 足りていなければ当社が協力します」と声をかけたり、「当社にはこういう資金需要があります」と具体的な提案をすることが効果的です。このようなアプローチは、金融機関側にとっても歓迎されるものです。
突然の訪問にも意味がある
普段はめったに会えない支店長が、突然アポイントもなしに訪問してくることがあります。これは決して失礼な行為ではなく、むしろチャンスです。支店長は「本当に融資しても大丈夫なのか、融資先の真の姿を確認したい」と考えています。事前連絡なしでの訪問は、会社の日常の様子を確認するためなのです。
このような訪問があった際は、普段通りの会社の姿を自信を持って見せることが重要です。整理整頓された職場、活気ある従業員の様子など、会社の強みをアピールする絶好の機会となります。
定量情報と定性情報の重要性
金融機関は主に2つの情報から融資の判断をしています。「定量情報」と「定性情報」です。
定量情報:決算書や事業計画書に記載されている数字のこと。売上高、利益率、負債比率など。
定性情報:経営者の資質、従業員のモチベーション、職場の雰囲気、事業の将来性などの数字では表せない情報。
金融機関は、これら両方の情報を総合的に判断して融資を決定します。特に、支店長が直接訪問するのは、定性情報を自分の目で確認するためです。
定性情報の重要性を認識する
数字だけでは語れない会社の強みや可能性を、いかに効果的に伝えるかが融資成功のカギとなります。
例えば:
– 経営者としてのビジョンと熱意
– 従業員の技術力や顧客サービスの質
– 独自の商品開発力や市場での競争優位性
– 地域社会との関わりや社会貢献活動
これらの要素を日頃から意識し、金融機関との対話の中で適切にアピールすることが重要です。
長期的な関係構築を目指す
融資は一回限りの取引ではありません。金融機関との良好な関係を長期的に維持することが、安定した資金調達につながります。定期的な情報交換、経営状況の報告、将来の事業計画の共有など、オープンなコミュニケーションを心がけましょう。
まとめ
金融機関は決して敵ではなく、むしろビジネスパートナーとして捉えるべき存在です。彼らのニーズと自社のニーズをうまくマッチングさせることで、Win-Winの関係を構築できます。金融機関の内部事情を理解し、適切なタイミングで効果的なアプローチを行うことで、中小企業の資金調達の可能性は大きく広がるはずです。
自社の強みを理解し、それを効果的に伝える努力を惜しまなければ、金融機関はあなたの良きパートナーとなってくれるはずです。
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