借入金の本質的な役割
借入金の主な目的は次の2つです。
– ビジネスチャンスを逃さない
– 不測の事態に備える
重要なのは、会社は借金があるだけでは倒産しませんが、必要な資金が調達できなくなると倒産するということです。つまり、適切な借入は会社の存続を支える重要な要素なのです。
借入金を「保険」と捉える新しい視点
多くの経営者は借入金を単なる「金利負担」と考えがちです。しかし、私はこれを異なる角度から見ています。
– 金利 → 会社が困ったときに助けてもらうための保険料
– 借入金 → 会社が困ったときに受け取る保険金
この考え方を採用すると、借入の意義が明確になります。例えば、年間売上5億円の会社が1000万円を借り入れ、2%の金利を支払うとします。年間20万円の「保険料」で、緊急時に1000万円の「保険金」が使えるのです。これは経営の安定性を考えると、決して高くない投資と言えるでしょう。
長期借入のメリット
長期借入には以下のようなメリットがあります。
– 急な経営環境の変化にも対応しやすい
– 毎月の返済額が少なく、計画的な資金運用が可能
– 現預金を厚くすることで、経営の安定性が増す
例えば、1000万円を5年で借りる場合と10年で借りる場合を比較してみましょう。10年の場合、毎月の返済額は半分程度になり、その分を運転資金や投資に回せます。
借入金の戦略的活用法
借入金は単なる負債ではなく、成長のための投資資金です。以下のような用途で活用することで、会社の価値を高められます。
– 最新設備の導入による生産性向上
– 社員教育・研修プログラムの充実
– 新規事業立ち上げの資金
例えば、借入金で高性能な機械を導入し、生産効率を20%向上させた企業があります。結果として売上が1.5倍に伸び、借入金の返済も計画より早く終えることができました。
経営者の本当の仕事
経営者の仕事は「無借金経営」を実現することではありません。むしろ、どんな状況下でも潰れない「強い会社」をつくること。そのための借入は「正しい選択」なのです。
ただし、借入にあたっては以下の点に注意が必要です。
– 返済計画を綿密に立てる
– 資金使途を明確にし、効果を測定する
– 定期的に財務状況をチェックし、必要に応じて計画を修正する
まとめ
結論として、借入金は恐れるものではなく、戦略的に活用すべきツールです。適切に管理し、成長のために投資することで、御社のさらなる発展につながるはずです。中小企業の経営者が、借入金を味方につけて着実に成長されることを願っています。
各種セミナーやイベントを定期的に開催しています。
詳しい情報を知りたい方は、ぜひメルマガにご登録ください。