なぜ環境整備が重要なのか?
「会社の成功は95%が準備で決まる」という言葉をご存知でしょうか。この「準備」の核心となるのが、実は環境整備なのです。環境整備は単なる掃除や整理整頓ではありません。それは、
1. 業績向上
2. 組織力強化
3. 人材育成
これら3つを手にするための準備が環境整備なのです。つまり、会社が儲かるか儲からないかは、95%のこの「準備」で決まります。
環境整備の3つの柱
環境整備は主に以下の3つの領域を整えていきます。
物的環境整備
不要なものを捨てる。必要なものを数字や色などで定位置管理する。向きを揃えて置く。
人的環境整備
返事、笑顔、挨拶を徹底する。社長と社員、社員同士の考え方・価値観を揃える。自社の価値観に合った人材を採用、育成する。
情報環境整備
社員同士のコミュニケーションを促進する。決められた内容(情報)を決められた順番で報告する。ルッカースタジオなどのITツールを活用し、情報の共有を図る。
心の教育よりも、形の教育を優先する
多くの経営者は「心の教育」を重視しがちですが、私たちの会社では「形の教育」から始めること重視しています。なぜなら、
– 形は目に見える
– 形は嘘をつかない
– 形は習慣化しやすい
環境整備を通じて「形」を整えることで、自然と「心」もあとから整っていくのです。
環境整備で大切なことは、まず最初に目に見えるものを徹底的に整えることです。「なぜ?」「どうして?」などあれこれ考えると環境整備は進みません。前向きじゃなくても結構、嫌々でも結構です。なにも考えずにこの取り組みを仲間と一緒に続けることで、やがて心に至ります。
環境整備がもたらす8つのメリット
業務の優先順位が明確になる
「不要なものを捨てる」という経験(=整理)を習慣にすると、「もの」だけではなく、「情報」や「仕事」の無駄にも気づけるようになります。「捨てる」とは、言い換えると、選択肢の中から優先順位をつけ、「やらなくていいこと」「やる必要のないこと」を決め、手放すことです。
在庫管理の最適化による資金繰りの改善
在庫管理の基本は、
▷「売れているものを仕入れ、売れない商品は仕入れない」
▷「厳しく管理、チェック、棚卸をして在庫の金額を増やさない」
▷「半年以上経過して売れない商品は、処分する(値引きして売るか、捨てる)」
ことであり、売れ筋商品の適切な仕入れと、不良在庫の削減が可能になります。
損益分岐点の引き下げ
整理・整頓をして「不要なものを捨てる」「必要なものの定位置管理、定数管理を徹底する」ことで、ものを探す時間や移動する時間が減ります。動きに無駄がなくなれば、残業時間が減り、損益分岐点も下がります。
社員の感性向上
環境整備は、感性を磨くのに最適な社員教育です。仕事で結果を出すには、お客様や一緒に働く仲間の心の状態を「察する」「気づく」ことが大切です。
迅速な意思決定と実行力の向上
環境整備は、社員にとって「面倒なこと」「やりたくないこと」です。それでも社員は、「それが業務のひとつだから」「環境整備の手を抜くと、人事評価が下がるから」という理由で、嫌々ながらしかたなく、ものを捨て、置き方を揃え、掃除をします。社長は「面倒なこと、やりたくないことをやるからこそ、人は素直になれる」 「面倒なこと、やりたくないことをやらせるからこそ、組織は強くなる」と考え、環境整備を長年実施し高収益体質を実現しました。
PDCAサイクルの実践
環境整備は、継続的改善のプロセスを学ぶ最適な機会です。
社内コミュニケーションの活性化
学校では、「掃除は黙ってするべき」と教えられました。しかし、100年塾で教える環境整備はは、「手を動かして、口も動かす」が基本です。業務時間中にやるので環境整備は立派な「仕事」ですが、手さえ止めなければ、おしゃべりしてもかまいません。中身は、仕事の話よりも無駄話の方が理想的。普段から無駄話ができる関係をつくることがコミュニケーションを活性化し、チームワークを強化します。
また、コミュニケーションエラーがなくなることで、社員同士の相互理解が進む→社員の定着率が向上する→ 組織間の情報共有が図られる→社員が協力して業務に取り組むため、生産性が上がるといったように、組織力が強くなります。
効果的な情報共有
環境整備を習慣化された組織では、社員はみな「同じレベルのスキル」と「同じ考え」を持つようになります。それによって、「サービスの均一化」を図ることができます。社員数の少ない中小企業経営で大切なのは、社員でもパートでもアルバイトでも、就業形態を問わず、「全員が同じサービスを提供できる」ことです。サービスの属人化は、お客様の不満につながります。「属人化」とは、特定の担当者しかその業務を行えない状態のことです。
環境整備の目的
環境整備の目的は、モノ・ヒト・コト(仕事)を整えることで、何があっても潰れない「高収益体質の組織」をつくることです。
環境整備を行うことで、次のようなサイクルが社内に回りはじめます。
→ 環境整備を実施する
→ 社長と社員の価値観が揃い、社長の決定がすぐに実行される
→ 損益分岐点が下がる
→ 生産性が向上する
→ 高収益体質の組織ができる
環境整備を企業文化に
環境整備は一時的な取り組みではなく、継続的な実践が重要です。これを「会社の文化」として定着させることで、どんな状況でも揺るがない強い組織基盤を構築できます。みなさんの会社でも、今日から環境整備に取り組んでみてはいかがでしょうか?きっと、新たな成功への道が開けるはずです。
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