中小企業の資金調達を円滑にする方法②【銀行の常識・非常識】

金村
社長が考えている銀行の常識は、銀行の非常識に当たるものが多くあります。それを事前に知り、対応することで、銀行とビジネスパートナーとして良好な関係が築けます。

銀行は『敵』でも『味方』でもありません

銀行から融資が受けられないと、銀行を敵扱いする社長がいます。

間違えてはいけないことは、銀行は敵ではありません。

銀行には4,000年以上の歴史があります。

銀行を敵に回したところで、向こうのほうが1枚もお2枚も上手です。

中小企業の社長が、銀行と喧嘩をして勝ったという話を聞いたことはありません。

融資をしてくれない銀行に腹を立てるのは、見当違いです。

銀行がいつでも見方をしてくれるように、日頃から信用残高を築く言動をコツコツと続けることです。

でも、銀行を味方につけた社長は、銀行頼みの経営で脇が甘くなります。

銀行は敵でも味方でもありません。

中小企業と銀行の関係は、ビジネスパートナーとして考えることです。

会社を守るためには『多行主義』

銀行からの資金調達は、1行だけに絞らず複数行と取引をすべきです。

中小企業の場合は、『地方銀行、信用金庫・組合、政府系金融機関』を組み合わせて、3行以上との取引が基本です。

売上が5億円を超えて初めて、都市銀行との取引をはじめるのが理想です。

メインバンクという名の下、1行からたくさんの金額を借りず、バランスよく借入をします。

経験上、メインバンクの借入シェアは、多くても55%以内、理想は40%が適性です。

資金を潤沢にして、ライバルより先に投資をするには、『1行主義』ではなく『多行主義』が基本的な考え方です。

『メインバンク』は頻繁に変えない

『メインバンク』とは、資金調達の話をする時によく聞く言葉ですが、その定義が分かっている社長が少ないです。

メインバンクとは、

『重要な事業の投資に対応してくれて、会社がピンチに陥った時に支えてくれる銀行』

『個人保証も、担保も要求せず、プロパーで1番融資をしてくれる銀行』

です。

もし、このようなメインバンクができたら、メインバンクを頻繁に変えないことが基本です。

でも、会社の成長や規模に合わせて、取引する銀行のバランスを再構築することは必要です。

メインバンクの変更は、融資の可否の短期的な視野では行わず、あくまで長期的な視野に立って行います。

銀行は、取引の実績(歴史)や長さを重視しています。

銀行と会社は、ビジネスパートナーとして、持ちつ持たれつの関係であることを忘れてはいけません。

増収増益の適性成長率は『115%』

銀行の支店長は、融資するかしないかの決定を業績と返済能力で判断します。

赤字え返済能力のない会社に追加融資を決定する支店長はいません。

確実に返済してもらえるという判断材料をもとに、年間返済金額の範囲内で融資額を決めます。

では、会社の業績が良ければ融資してもらえるのでしょうか。

財務体質が強くない会社が、3年連続125%以上の増収増益を続けると危険と判断されます。

やがて資金繰りが追いつかなくなり、資金がショートするからです。

増収増益の適正な数字は『115%』です。

銀行にとっては、倍々で成長している会社は危険信号そのもの。

いくら業績が良くても、相当な利益が出ていなければ融資を控えるのがまともな判断です。

 

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