映画『カメラを止めるな!』から学んだ3つのこと

学生たちも夏休みに入り、映画も夏の話題作のロードショーラッシュ。気になる映画が多くあり、ここ2ヶ月間は映画館に足を運ぶことが多くなりそうだ。

中でもタイミングが合わずに観れなかった『カメラを止めるな!』を、今回やっと観ることができた。いつものように事前情報はほとんど入れず映画館に向かった。他にも話題の映画があるにもかかわらず、この映画だけ満員御礼の満席だったことには驚いた。

映画『カメラを止めるな!』を観て感じたことをまとめてみた。

映画を観終わって

映画を観終わって率直な感想は、『面白いだけじゃなく、なんだか心が微笑ましくなる映画』だった。いつも観ている映画とカテゴリーが違うというか、そもそもが違うというか。もう一度見たいとまでは思わないが、観ておかないと損をする映画でもある。ゾンビのコメディー映画と聞いてはいたが、1本の映画の裏で、どんなことがあったのかというドキュメンタリーに感じた。

考えさせらえた3つのこと

この映画を観ていて色々なことを考えさせられた。

この映画は番組制作の一環で、『ゾンビ映画をワンカメラ、ワンカット(NO編集)で約30分間回し続け生放送する。しかも昼間に』という企画依頼からはじまる。企画の話を聞いて、映画に詳しくない私でも『その企画は無茶でしょ』と思った。でも、映画の中では、いろいろな仕事上のしがらみやチャンスなどが見え隠れし、監督役の主人公は結局この企画を受けることになる。

やり抜く覚悟がまわりを巻き込む

いざ撮影がはじまるとカメラを止める(カットする)ことはできない。しかし、37分もの間、台本通り予定通り行くことはまず無い。映画の中でも数々の想定外のトラブルが起こる。それを演者と裏方スタッフであの手この手を使ってなんとか乗り越える。

誰かが想定外の動きやセリフがあったとしても、それを残りの演者・スタッフでカバーして乗り切る力。リカバリーする強力な協力関係。この映画を観ていて、この大切なことに気づけた。

仕事をしていれば、想定内の出来事はもちろん、想定外のこともたまに起きる。それをできなかった理由にするのは簡単だ。そうではなく、それらトラブルをお互いにリカバリーしあい、最後までやり抜くこと、結果を合わせることが仕事では求められ、重要視される。

想定外のことが起こっても、滞りなく結果を合わせることができるのも、台本読みなど、十分で入念な準備をしていたからこそ、数秒で意思決定をし、指示を受け、すぐに走る(動く)ことができた。万全の準備が無謀とも言えるゾンビの生放送という企画を成功させた。

若干の遊び(余力)が想定外の事態を乗り切らせる

映画の中では、当日車の事故があり、監督役の俳優と女優の一人が来ないという事態が起こる。これにも、実際の映画の監督が監督役を務め、台本を100回以上読みセリフを熟知していた監督の奥さんが女優の代役を務めることになった。

もし、当日の現場に人員の遊び(余力)が無ければ、監督役と女優が来なかった段階で撮影はできなかった。若干の遊びがそこにあったからこそ、乗り切ることができた。

経営でも同じことが言える。サービス業が多くなってきている現在、人件費の占める割合は経費の中で一番になることが多い。そのために、利益を最大化するために、この人件費をカツカツの状態で経営している会社が多くある。さらに、人が足りないということもあって、社長まで社員と一緒に連日現場で業務にあたっている。

このように、遊び(余力)の無い状態では、想定外の事故や病気が起こった時に、この映画のように乗り切ることは難しくなる。さらに、社員の身内に何かがあったとしても、行かせることもできない。

会社は上り坂はもちろん、下り坂でも潰れることはなかなか無い。ただ、想定外のまさかが起こることで対応できずに潰れてしまう。そんなまさかに対応するために、社内には若干でも遊び(余力)を常に作っておく必要がある。

凡人がハイパフォーマンスをする集合天才になる

この映画に召集された演者(役柄)は、個性的というか、わがままというか、一癖も二癖もあるような俳優ばかりでとにかく酷かった。でも、予算や企画内容の関係で、監督がわがままを言ってられない状態。今回集まった演者・スタッフで乗り切るしかなかった。

人の問題は経営でも同じだ。自社にベストな人材が入社してきてくれればいいが、そんなことはまず起こらない。帯に短し襷に長しの人材が集まってくる。入社してくる人材の質に焦点を当てている限り、そのような社員は入社してくることもないし、業績という成果は上がらない。

何かの縁で一緒に働くことになった人材の個性を見抜き、欠点が見えなくなるほどその人材の長所(強み)を生かす経営をすること。これを社長が徹底することで、社員一人一人は大したことがない凡人でも、価値観があった人材がお互いの強みを生かす活躍をすることで、想像を超えたハイパフォーマンスをする。これを集合天才という。

映画の中でも、一人一人の演者・スタッフがその特性を精一杯生かし、輝かせることで、当初の目標を達成することができた。

最後に

映画を観て感じること、気づくことは十人十色で様々だ。高評価をもらっているこの映画でも、様々な感想があるだろう。ただ、年間20本ほど映画を観ていて、この映画は観ておく価値が高い。

なぜなら、映画が面白い、面白くないではなく、このような映画は観たことがないからだ。これだけ多くの高評価をもらっているから、高い満足度も得られることはもちろん、多くの人が共鳴している映画という観点からもこの映画はぜひ映画館で観てもらいたい。

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    この記事を書いた人

    金村 秀一

    100年塾塾長・社長コンサルタント

    社員数30人以下のヒト・モノ・カネの悩みを解決するための成功し続ける社長の経営塾”100年塾”を主宰。

    経営塾”100年塾”は、飲食業界に関わらず、様々な業界の社長が全国各地から参加している。経営計画書・環境整備・斜めの関係という再現性の高い道具を使って、社員がイキイキと働きながら、社長の決定をすぐに実行する、高収益体質の会社づくりをサポート、生産性が高い強い経営ができる。