熱海での100年塾の合宿(第3講)が終了。朝7時から夜10時まで会社の未来のために、年に1回決算前に社長自らが山に籠り、経営計画を作成している。
100年塾で毎年、塾生企業の経営計画作成のサポートをしているから、私の中ではアタリマエになりつつあるが、やはり経営計画書をつくって経営に当たっている会社は、まだまだレアなことだと言うことを銀行から聞いている。つくるだけで会社が強くなっていく、これだけ再現性が高いものであるだけに、一人でも多くの社長に知ってもらう活動を続けている。
『目先』このに囚われて経営している会社に明るい未来は訪れない。目先のことに対処し続け、いつも同じ場所をグルグルしているようなものだ。経営で大切なことは、目先のことにとらわれずに、『長期的な視点』でどうすれば利益が出せるかを考えて、その利益構造を構築するために、毎年積み上げていくことだ。
多くの社長は『最大の敵はライバル会社』と考えて経営をしているが、ライバル会社は短期的な競争相手にすぎない。経営にとって最大の敵はいつも『時代の変化』であることを理解する必要がある。
そもそも経営とは『環境適応業』だと考えている。目先の現状に甘んじる、囚われることなく、変化し続けることができるかどうかが、長期的に会社を存続できるかどうかにかかっている。
経営計画を作成することで、逆算会計から会社が今何をすべきかを知ることができる。つまり、社長自身が自社の強みなどをはじめとした、現在の現状分析をすることができる。現状をしっかりを踏まえた上で、時代やお客様の変化に合わせて会社をシフト(変化)させるつけることが正しい経営と言える。その変化に合わせて、経営計画書を毎年書き換えていくことが、強い体質の会社をつくることとなる。
現状分析をした上で、会社の業績を上げるための方法が2つあることがわかる。1つが現在売れている商品をさらに力を入れて売っていくこと。そして、もう1つが、3年間、あるいは、5年間続けても成績が上がらない商品・事業はやめること。
成果が上がらない商品・事業を「なんとかしよう」としてもなんともならない。なぜなら、これまでも社長が先頭に立ってなんとかしようとしてきたのではないだろうか。それでもなんともならなかったものは、社長の思惑とお客様の要望がズレている証拠と言える。
計画は社長の思惑、実績はお客様の要望。この2つの差であるズレを認識するためにも、経営計画が必要と言える。よく『計画を立てても実現できなければ意味がない』と言う人もいるが、そもそも計画とは達成するためにあるのではなく、時代とお客様との認識のズレをはっきりさせるために必要なのである。
計画と実績の差を素早く読み取り、次の経営計画に反映させる。小さな会社だからこそ、このような方針転換を素早く行えることが強みと言える会社にすべきである。