金村
『増し分売上・増し分利益』という言葉をご存知でしょうか?黒字経営をしている会社は、重点方針でこれに取り組むことで、さらに強い経営状態・財務体質が築かれます。
増し分売上・増し分利益
増し分売上・増し分利益という言葉がありますが、知ってますか?
どのサイトを見ても、僕から見てわかりづらい説明が多かったので、このブログでも解説したいと思います。
通常商品Aの利益構造
以下のような商品Aがあったとします。
売上 100万円
仕入 40万円
粗利 60万円
人件費 35万円
経費 15万円
利益 10万円
仕入 40万円
粗利 60万円
人件費 35万円
経費 15万円
利益 10万円
利益が10万円と出ているので、商品Aは黒字商品となります。
このような、黒字商品を抱えている会社は、増し分売上・増し分利益を理解し、実践することで、さらに利益を大きくすることができます。
黒字経営であれば増し分売上・利益でさらに利益を伸ばせる
多くの社長は『商品を安い価格で販売すると儲からない』と思っていますが、実はそんなことはありません。
黒字経営をしている会社であれば、商品を安く販売しても増し分売上・利益でさらに利益を大きくできます。
なぜなら、新しい商品を販売しても、人件費や経費などの固定費がほとんど増えないからです。
セール品Bの利益構造
上記で説明した商品をA商品とします。
このようにA商品で利益が出ている上で、セールを展開し、安値でセール品Bを販売すると利益はどうなるでしょうか。
実際に見ていきましょう。
セール品Bだけで見てみると以下のような結果になっています。
売上 50万円
仕入 30万円
粗利 20万円
人件費 0万円
経費 2万円
利益 18万円
仕入 30万円
粗利 20万円
人件費 0万円
経費 2万円
利益 18万円
セール品Bは安売りをしているにもかかわらず、なぜ、このような結果になるのでしょうか?
安売りをしても約3倍の利益が残る
商品Aは原価率(仕入率)が40%でしたが、セール品Bは安売りをする(つまり原価率が高くなる)ので、仕入が60%の30万円になります。
セール品Bの販売をはじめたからといって、人件費が増えることはありません。
商品Aを販売していた人がセール品Bも一緒に売ればいいからです。
ですから人件費は『0円』になります。
経費は宣伝広告費などに多少のお金がかかるので『2万円』としています。
結果として、セール品Bは安売りをしたにも関わらず『18万円』の利益が出る計算になります。
商品Aとセール品Bの利益を合算すると、『10万円+18万円=28万円』となります。
セール品Bを安い価格で販売しても、商品Aだけを扱っていた時の『約3倍の利益』が出ていることがわかります。
社長の無知は犯罪です
このように、人件費などの固定費を変えずに利益を増やすことを『増し分売上・増し分利益』といいます。
『儲からない』と嘆く社長は多くいますが、実際に儲からないのは社長が無知だからです。
社長が儲かる仕組みを知らないからです。
『社長の無知は犯罪です』とまで言われるのは、それが会社の致命傷となってしまうからです。