「思考の質」を向上させるために、100年塾では「デキる会議」の手法を導入しています。「デキる会議」とは、参加者全員の考えやアイデアを引き出し、言語化し、情報を共有し、和談をしながら話し合いを進め、決定したことが全員で動き出せる会議のこと。ここではその「デキる会議」のやり方を紹介します。
「デキる会議」は5つのステップで構成されています。
【1】リストアップする
【2】見える化する
【3】仲間集めをする
【4】タイトルをつける
【5】和談をする
「デキる会議」をスタートするために、「ポストイット(付箋)」「サインペン(中字)」「ホワイトボード(マーカー込)」の3つの道具を準備します。
ポストイットは75㎜×75㎜または50㎜×50㎜の正方形のものを使い、色は複数準備します。サインペンは細字だと、書いた文字が遠くから見えないことがあるので、中字のものを準備します。最後にホワイトボードを使うことでスムーズにデキる会議を進行できます。
3つの道具を準備したら、いよいよ「デキる会議」をはじめていきます。上記の5つのステップの1つ1つの手順を説明していきます。
【1】リストアップする
・ポストイットとサインペンを参加者全員に配布する
・会議の内容・質問に合わせた情報(私見・アイデア・気づきなど)をリストアップする
・このとき1枚のポストイットに書く情報は1つだけとする
・制限時間を決め、タイマーで測る
・3つの視点(お客様視点・業務プロセス・社員視点)から時間いっぱい考え、最低3枚以上はリストアップする
※ポストイットに書き出しをするときは、上部3/4に情報を書く。下部の1/4は空けておく。
【2】見える化する
・【1】でリストアップした情報をホワイトボードへ羅列する
・並べられたポストイットを制限時間を決め、発表する
【3】仲間集めをする
・【2】が終了したら、同様の似た者同士の情報のポストイットを重ねる
※ 下部1/4のスペースを使って、ポストイット同士を繋げる
【4】タイトルをつける
・和談しやすいように重ねたポストイットにタイトルをつける
【5】和談をする
・全員一致の意見になるまで話し合いをする。
※ 和談とは、参加者全員が互いに協力して、情報を共有し気づきを足しあい、新たな発見や成長を促す話し合いのこと。
この「デキる会議」の手法を使うことで、驚くほど短時間で大量の情報を収集・集約することができます。
会社の雰囲気や会議に参加しているメンバーなどにもよりますが、基本的には小さな会社では積極的に自分の意見を言わない、発表しにくい傾向があります。
ところが上記のようにポストイットを使って、私見を書いてもらうことで多くの意見が集まります。全員で同じ時間を使ってリストアップすることで、他の人の意見に同調することができないように制限がかかっていることも、私見が素直に書くことができる理由でもあります。
さらにこの和談の手法を使うことで、上下関係から生じる社歴が長いまたは影響力の強い少数派の影響力や同調圧力、新人やおとなしい社員に多くある手抜きやぶら下がりがなくなります。
またこの「デキる会議」を実践している会社からは、
「今までの会議とは次元が違うほど、大量の情報を短時間で決定できるようになった」
という感想が多く報告されています。
実際にやってみるとわかるのですが、これまでの会議の2/3、すごい会社では1/2程度の時間で会議が終了するようになります。
従来までの会議では考えたことが発表される時にわかるので、発表する順番によって内容が変わることがよくあります。「○○さんと同じように…」といったぶさらがりが生じるのもこの現象のひとつです。
さらに、発表された意見が見える化されていないことから、どのようにまとまるかは司会進行の腕にかかっているため、小さな会社では司会を社長がやってしまっていることも多く見受けられます。
これに比べて「デキる会議」ではポストイットを使うことで、考えることと書くことが同時に行われるため、意識が低い社員のぶらさがりが生じることもなく、自分の意見を明確にさせる(ポジションを取る)練習にもなります。
さらに、ポストイットに書かれた情報を見える化しながら進めていくことで、まとめやすいことも「デキる会議」が生産性を高めている理由としてあげられます。
事前に会議資料などがある場合は、会議資料を説明する時間を無くすことです。この会議資料を用意した人が説明に使う時間は、会議の時間の中で最も生産性が低い時間です。
参加者が配られた資料に黙って目を通せば、数分で読み終えることができます。ですから会議の中で「今から3分間資料に目を通してください」と伝えることだけでも、会議の生産性は高まります。