経営塾に参加をすると、
成功し続ける強かな会社になるための社内改革を取り組んで行く。
これまで社内に強かな文化がなかっただけではなく、
社内のルールも整備されていない状態。
まずは、ルールを明確にし、さらに、社内改革に取り組む。
この時に私がいつも言っている言葉がある。
それが『社内改革の初期段階は社長の力仕事が必要』という言葉だ。
はじめて聞く人は一体なんのことなのかと思うかもしれない。
でも、実際に改革を進めていくと
面白いように社長たちみんなが経験することになる。
社内に新しい改革をしていこうと思うと
少なからず社員からの抵抗に合う。
抵抗の形は会社によって色々違う。
しかし、無勢に多勢。
正面を切って正攻法で言ったところで上手くはいかない。
これは仕方がありません。
これまで改革の「か」の字もなかった会社が、
急に改革をはじめるわけですから。
ここで起こっていることは、
ランニングで起こることにとても似ていることに気づく。
ランニングをはじめた直後に重く感じた体が、
走っている途中で劇的に体が楽になる瞬間がある。
なぜ、このような感覚になるのかを考えてみる。
体を動かそうとすると、まず
「動かす筋肉に大量に血液を送らなければいけない!」
と体が反応する。
安静時で血流が少なかったのに、
大きな筋肉のある下半身を中心に急に動かすため、
体は酸素を取り込んだり血液を送り込んだりとフル稼働になる。
この間、体にはかなりの負担がかかるために
「苦しい」「辛い」となる。
でも、そのうちに心臓も筋肉も走る準備が整う。
車と同じくアイドリングされて一気に体が軽くなり、
スーッと前に進めるようになる。
このような瞬間がいつ訪れるかには個人差がある。
キツイのは最初だけ。
走り続ければ思わず笑ってしまうくらい、
爽快な気分で走れる瞬間が訪れる。
これと同じように、改革をはじめた社内には
なれない新しいことを通常業務に加えて行う必要があり、
必然的に社員に負荷がかかる。
労働的に負荷がかかることもあれば、
精神的に負荷がかかることもある。
やりはじめ当初はこのような負荷を体験するために、
改革に賛同しなくなる社員がまともだ。
それでも社長は諦めずに、
他社にベンチマーキングに行ったり、斜めの関係を用いることで
当初感じた負荷から徐々に解放されていくことを感じる。
さらに、他社の人が会社に見学に来て改革を褒められることで、
さらにこの解放度は加速していく。
このようなサイクルを繰り返すことで、
ランニングのたとえのように
社内改革に対する抵抗から社長は解放される。
このようなプロセスを”力仕事”と呼んでいる。
社内改革の初期段階では必要なことで、社員からの抵抗があっても、
社長がどれくらいの覚悟を持って改革に取り組んでいるかが、
ここで試されることになる。