銀行に資金繰り表は提出してはいけない!

社長たちとの会食の中で、銀行から「資金繰り表を提出して欲しい」と言われたという話題でも盛り上がった。そして、社長たちが資金繰り表に対して間違った認識を持っていることがわかった。強い会社をつくるためにはとても重要なことなので、資金繰り表や銀行の対応方法・付き合い方などをまとめてみた。

資金繰り表とは?

資金繰りとは、会社における一定期間の現金収入と現金支出の全てを分類したり、集計したりする目的があり、現金収支の動きを把握したり、現金化不足の実態などを追うための表のこと。

資金繰り表は、何のために作るのか?

それは、会社の一定期間のお金の流れを把握するため。資金繰り表には過去の実績の数字だけでなく、未来の計画の数字も合わせて作成する。過去の実績の資金繰表では、これまでのお金の流れがわかり、未来の計画の資金繰表では、これからのお金の流れ(キャッシュフロー)がわかる。
資金繰り表を作成して行くことで、黒字倒産といった最悪のケースを防いだり、予防することができる。資金がショート(不足)することが予め予測できれば、借入を行ったり、支払いを延期するなどの対策もできる。

会社は赤字でも倒産しない!?

「会社とは赤字で倒産するのではなく、資金がショートした時に倒産する」という言葉は、社長であれば何回か聞いたことがあるはずだ。私たち社長の使命は、会社を存続させ、社員とその家族を守ることである。そのためにも、会社を存続させるためにはP/L的発想の赤字か黒字ということ以上に、資金ショートを起こさないようにB/S的発想で、資金を管理しておくことは欠かせない。

ほとんどの会社が資金繰り表を作っていない

ところが、資金繰り表を実際に作っている会社は実は多くはない。このことを象徴するような数字が、先日公開された『2017年倒産企業の財務データ分析調査』の中にあった。それは、倒産した会社のうち53.7%は赤字決算であったのに対し、残りの46.3%の会社は黒字決算にも関わらず倒産しているというデータだ。
このような黒字倒産を避けるためにも、社長は資金繰り表を作り、半年後の預金残高を常に見える化しておくべきである。こうすることで、資金ショートの不安から多少なりとも解放され、本来やるべき社長の仕事(顧客開拓・商品開発など)に時間を使うことができる。
この資金繰り表ですが、社長にとっても重要な経営資料ですが、実は銀行(金融機関)にとっても喉から手が出るほど欲しい資料であることを社長は知る必要がある。

なぜ、銀行は資金繰り表を手に入れたがるのか?

銀行は会社にお金を貸し付けて、その対価として利息を得ることで収益の一部を確保している。本来であれば、貸し倒れの心配がない安全な会社に高い金利で貸付けしたいのが本音です。しかし、そのような業績が良い会社は、キャッシュフローも潤沢に回っており、借りてもらうことが難しい。もし、借りてもらったとしても、金利などの条件が悪くなることが想定される。
そこで、銀行は効率よく融資をするために、提出してもらった資金繰り表を使うのである。もう少し詳しく説明すると、ひとりの銀行員が担当している会社が仮に100社あるとすると、その中のどの会社が、いつ頃、どれくらいの資金ニーズが発生するかを事前に知ることができたら、これほど提案しやすいことはない。お客様の資金繰り表を手に入れることで、会社の資金状況の流れが把握できるため、銀行はお客様の資金繰り表が大好きなのである。
だから銀行は『資金繰り表を提出してください』と当然のように社長に軽く伝えてくることがある。そう言われた時に多くの社長は、これまで作ったことがない資金繰り表の雛形を自らダウンロードして銀行のために資金繰り表を作成してしまう。さらに、返済などの詳細まで書き込んだものを作成してしまうことで、どの銀行からどれくらいの金利で借りているかも察しがついてしまう。

銀行から資金繰り表の提出をお願いされたら

では、もし、銀行から『資金繰り表を提出してください』と言われたらどうすればいいのか?
まず、その時は『他の金融機関からそのようなことを言われたことないのですが、なんのために必要ですか?』と伝える。そうすると『そうですか。では。。。』と無かったことになることもある。
もしその理由も説明されて、さらに提出を求められた場合は、『すみませんが、資金繰り表を作ったことがないので何かフォーマット頂けますか?』と知らないふりをする。この2つの回答をした後に、資金繰り表をさらに求められたことは私のこれまでの経験では1度もない。

本来のあるべき銀行との付き合い方

まず、銀行に提出するのは資金繰り表ではなく、経営計画書の月次の数字(実績と計画)を提出する。さらに、定期的な銀行訪問をする時に、資金需要がいつ、どれくらいあるかを伝えておく。こうすることで、銀行にとっては資金繰り表はもはや重要でなくなる。
このように
①しっかりとした経営計画書を毎年つくっていること、
②定期的に銀行訪問していること、
③未来の資金需要が明確に見えていること
これらが、ひとりの銀行員が抱えるその他の会社(99社)との差別化となり、潤沢な資金を破格の条件で提案してもらうことができるのである。
実際に、私が主宰する経営塾『100年塾』に参加している塾生の約20%は、保証協会付きではないプロバー融資はもちろん、無担保無保証でさらに破格の金利で融資を受けることができている。

まとめ

資金繰り表は、強い経営をする上で重要な経営資料である。 しかし、それはあくまでも社内経営資料であって、社内の現金の流れが丸見えになりかねないこの重要な経営資料を社外に公開することは慎重になる必要がある。成功し続ける会社になるためには、社長はこの資金繰り表の重要性を理解しておいて欲しい。

この記事を書いた人

金村 秀一

金村 秀一

100年塾塾長・社長コンサルタント

社員数30人以下のヒト・モノ・カネの悩みを解決するためにの成功し続ける社長の経営塾”100年塾”を主宰。

経営塾”100年塾”は、飲食業界に関わらず、様々な業界の社長が全国各地から参加している。経営計画書・環境整備・斜めの関係という再現性の高い道具を使って、社員がイキイキと働きながら、社長の決定をすぐに実行する、高収益体質の会社づくりをサポート、生産性が高い強い経営ができる。

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