日経平均株価が連日高値を更新する中、人手不足の深刻さが中小企業のみならず、多くの日本企業を直面しています。
特に飲食業界は、プレミアムフライデーなど個人消費喚起を促すキャンペーンなどが実施されてはいますが、2017年1月から10月の飲食業の倒産件数は634件に達しています。
これは前年同期より19.8%増で推移していて、年間では3年ぶりに750件を超える見込みです。
主な理由としては、仕入れの価格が高騰したことも影響していますが、それ以上に深刻なのが、人手不足による採用費の増加、賃金高騰による人件費増加などが強く影響しています。
飲食業界以外でも人手不足を感じる企業が増えており、同様の求人難が原因による企業倒産も増加傾向にあります。
企業にとって人材の確保は、顧客獲得以上に大きな経営課題になっています。今のままの長時間労働を放置していては、生産性は高まらず、持続的な成長も難しい。
時代の流れとなっている人材不足に負けない効率的な働き方の実現は、新たな需要を生み出す商機にもつなげることができます。
現在のこの状況を社長がピンチと捉えるか、チャンスと捉えるかで経営は大きく変わる。私自身は、この人手不足は社内改革のチャンスだと考えている。
なぜなら、人手不足であることは社長のみならず働いている社員たちも日々肌で感じているからです。
社員が一人退職することで、その人の業務が他の社員に降りかかります。これまでであれば、数ヶ月すれば新しい社員が見つかったが、今は応募の電話すらならない状況も知っています。ということは、キャパオーバーしている業務状況がこの先も続くことを意味しており、社員たちは日に日に疲弊していきます。
これまでは社長が社内改革を試みると少なからず社員からの抵抗に遭い、改革をなかなか思い通りに進めることができませんでした。特に中小企業では、このようなことは良くあることです。
しかし、ITなどを活用した少ない人員で効率的に仕事ができる仕組みを構築しなければ、現在の人手不足の状況がこの先も変わることはないことを社員もわかっています。
このような理由から、社内改革を進めるには、この人手不足が社内の無駄を無くし、生産性を高める絶好のタイミングにすることができます。
小さな会社にとって、会社を強い体質にかえる絶好のチャンスであり、ビジネスチャンスも増える絶好の好機といえます。
もし、このチャンスに変化するための手を社長が何も打たなければ、この経営不安は消えることはありません。