数字の報告の後は、私が今後の事業計画や会社の現況、トピックス、他行の融資状況などを報告する。この時の報告の仕方にひとつポイントがある。それは『悪いことから先に報告する』こと。
社長は銀行に対して良いことばかり話したがる。そして都合の悪いことは、言いたくないので後回しにする。銀行訪問では、『良いことも悪いことも報告する』のが原則。そして、話す順番がとても重要になるので気をつけたい。
人間は『最後に聞いたことが印象に残る』ために『悪いことを先に、良いことは後』に報告するといい。報告する内容は同じでも、話の順番を変えるだけで支店長の心象は変わってくる。
多くの社長が『赤字だと融資は受けられない』と勘違いをしている。たとえ現場は赤字でも、その原因がはっきりしていて、対策が取れているなら銀行は融資に応じてくれる。
赤字が続いた時には、『今は◯◯◯な理由で赤字になっていますが、6ヶ月後には黒字になる見込みです。なぜなら、、、』と現状を見込みを説明する。
6ヶ月後に黒字に転換していなければ、『申し訳ありません。黒字にはなりませんでしたが、対策をとったk遠出赤字は少なくなっています』と報告する。もし、黒字になったら、『結果が出ました』と報告する。
こうしたやり取りを重ねていくことで、信頼関係が築かれる。
会社が拡大路線を取っているときは、『その事業がどのように推移していくのか』を随時銀行の報告する。ただし、現状を見通しがあまりにも違いすぎると銀行から警戒される。
計画と実績の差が少ない方が評価は高いので、大風呂敷を広げないこと。見通しを伝えるときは少し辛めで伝えると良い。
銀行訪問をするときは、事前に話す内容を箇条書きでメモして、それを読み上げ話をしている。なぜ、このようなことをしているのか?それは、同じ話をすることで銀行ごとの温度差(スタンス)を比較することができるからだ。
にも関わらず、話す内容をメモも持たずに銀行訪問することで、銀行ごとに話す内容や順番が変わってきてしまう。なぜなら、基本社長は話が好きだからだ。融資に関心があるかどうかを銀行の態度から見極めるためにも、全ての銀行で同じ話をする必要がある。