なぜお客様は購入しなくなるのか?
まず、お客様が商品やサービスを購入しなくなる主な理由を3つ挙げてみましょう。
1. 忘れてしまう
2. 飽きてしまう
3. 知らない
これらの理由は、一見シンプルに見えますが、その背後には深い心理学的な要因が隠れています。特に「忘れてしまう」という要因は、多くの経営者が見落としがちな重要なポイントです。
忘却曲線の影響
ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスが提唱した「忘却曲線」によると、人間の記憶は時間とともに急速に薄れていきます。
– 20分後には42%が忘れられる
– 1時間後には56%が忘れられる
– 1日後には74%が忘れられる
– 1週間後には77%が忘れられる
– 1ヶ月後には79%が忘れられる
この事実は、ビジネスにおいて非常に重要な意味を持ちます。お客様が一度満足して購入したとしても、時間の経過とともにその経験は薄れていき、再購入の機会を逃してしまう可能性が高くなるのです。
顧客維持のための7ステップ戦略
お客様を単なる一回限りの購入者から熱心なファンへと変えていくプロセスは、以下の7つのステップで構成されています。
1. 認知 : お客様が商品やサービスの存在を知る
2. 興味 : 商品やサービスに関心を持つ
3. 行動 : 詳細を調べたり、問い合わせをしたりする
4. 比較 : 他の選択肢と比較検討する
5. 購買 : 実際に購入する
6. 利用 : 商品やサービスを使用する
7. 愛情 : 商品やサービスに愛着を持ち、ファンとなる
この7ステップは、単なる購買プロセスではなく、お客様との関係構築のロードマップと考えることができます。各ステップでお客様とどのように関わるかが、長期的な顧客維持の鍵となります。
「忘れられない仕組み」の構築
「忘れられない仕組み」を構築することは、顧客維持において極めて重要です。以下に、効果的な戦略をいくつか挙げてみました。
定期的なコミュニケーション
– メールマガジン、SNS、ダイレクトメールなどを活用し、定期的に情報を発信する
– ただし、頻度と内容のバランスが重要。過剰な連絡はかえって逆効果になる可能性がある
パーソナライズされたサービス
– 顧客データを活用し、個々のお客様のニーズや嗜好に合わせたサービスや提案を行う
– 誕生日やアニバーサリーなど、個人的なイベントに合わせた特別オファーを提供する
ロイヤルティプログラムの導入
– ポイント制度や会員特典など、継続的な利用を促進する仕組みを作る
– 特典の内容は、お客様にとって本当に価値のあるものを選ぶことが重要
アフターサービスの充実
– 購入後のフォローアップを徹底し、使用方法の説明や困りごとの解決をサポートする
– 定期的なメンテナンスサービスや、使用状況のチェックなどを行う
コミュニティの形成
– 顧客同士が交流できる場(オンライン・オフライン問わず)を提供する
– 商品やサービスを介したつながりを作ることで、ブランドへの愛着を深める
継続的な価値提供
– 新商品や新サービスの開発、既存商品のアップグレードなど、常に新しい価値を提供し続ける
– 業界のトレンドや最新情報を共有し、お客様の知識や興味を深める
フィードバックの活用
– お客様からの意見や要望を積極的に集め、迅速に対応する
– 改善点を明確に示し、実際に改善することで信頼関係を強化する
まとめ
顧客維持は、新規顧客の獲得と同じくらい、いやそれ以上に重要です。「忘れられない仕組み」を構築し、お客様との長期的な関係を築くことで、ビジネスの安定と成長を実現できます。
ここで紹介した戦略を自社のビジネスに適用する際は、お客様のニーズと自社の特性を十分に考慮し、最適なアプローチを見つけることが大切です。常にお客様の声に耳を傾け、改善を続けることで、真のファンを増やし、ビジネスの成功につなげていってください。
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