社内人事評価制度はシンプルかつわかりやすくあるべき理由とは

サッカーワールドカップ日本代表のグループ最終戦がいよいよ木曜日に行われる。サッカーに縁遠い人にとって、グループリーグの順位を決める方法がわかりずらい。でもルールを知ってみるととてもシンプルでわかりやすいことに気づく。

グループステージ突破:第1条件

第1ラウンド(総当り戦)のグループリーグで上位2チームだけが、決勝リーグ(ノックアウト)に進むことができる。上位2チームの順位の決定方法は以下の順序となっている。

・勝ち点(勝ち3ポイント、引き分け1ポイント、負け0ポイント)
・得失点差(得点と失点の差し引き)
・総得点(総ゴール数)

グループステージ突破:第2条件

基本的には、これら3つの数字で順位が決まる。しかし、今回のワールドカップのように接戦の試合が多くなるとこの3つの数字だけだと同率になることもある。その場合は、以下の項目に移行する。

・同点チーム同士の試合の勝ち点
・同点チーム同士の試合の得失点差
・同点チーム同士の総得点
・警告ポイント

これらでも同率だった場合には抽選となる。

警告も退場も減点ポイント対象

警告ポイントは、試合中に受けたイエローカードとレッドカードで決まるポイントのことで、詳細は以下の通り。

・イエローカード1枚:マイナス1ポイント
・イエローカード2枚でのレッドカード:マイナス3ポイント
・1発退場のレッドカード:マイナス4ポイント
・イエローカード1枚&1発レッドカード:マイナス5ポイント

今回のワールドカップで最終戦を前に日本代表がH組のトップに立っているのは、2位のセネガル代表と最初の6項目が同率となり、警告ポイントで日本代表がポイントが高いため1位となっている。

この警告ポイントがあることで、選手たちはもしもの時に順位決定を左右する警告ポイントをむやみに増やすことをしなくなり、ラフプレーが減る傾向になる。

さらに最終戦は同時刻キックオフ

さすがFIFAである。シンプルかつわかりやすい順位決定方法であるからこそ、選手をはじめ多くのファンも熱くなることができる。最終戦を前にどう戦えばいいかという戦略にも影響が出る。そのようなこともあり、グループリーグの最終戦は2試合とも同時刻のスタートとなっている。

人事評価制度が機能しない理由とは

社内の人事評価制度でも同じことが言える。

社労士などの専門家が高度な仕組みで人事評価制度を作成した時に起こりやすいこととして、複雑かつわかりづらいものが完成してしまうこと。複雑かつわかりづらい内容のため、評価を受ける対象である社員が『どうすれば自分の評価が上がるのか』が理解できない。その結果、『成果を出そう!頑張ろう!』という熱い想いと能動的な行動を刺激することができない。

社員数が30人以下の人事評価制度は、社員にもわかるようにシンプルである必要がある。さらに、上記のワールドカップのルールのように、評価を受ける社員の能動的な行動を促す内容であることが求められる。

果たして成果主義は正しいのか?

成果主義が正しいのか、間違っているのか。こんな議論がどこの会社でも社内で行われているが、答えははっきりしている。会社とは出勤する場所ではなく成果を上げる場所。成果を評価しなくて、一体何を評価するのだろうか。だから人事評価制度の中に成果主義で評価される項目があるのは正しいこととなる。

しかし、このような人事評価制度を導入した会社では、『成果を上げれば何をしてもいい』という風土になる。その結果、社員はみな自分の業績が上がることだけをやりはじめ、社内勉強会への参加や飲みニケーションへの参加などが軽視される。

人事評価制度で一番重要なこと

ここで問題とされるのは、実は人事評価制度の項目に成果主義を入れたことではない。そうではなく、評価のものさしが成果という1つしかないことが最大の問題なのだ。

わが社ウィルウェイは成果主義の会社だ。でも詳細の内容を見てみると色々な要素の成果を評価するものさしがある。社内勉強会への参加回数、日報の報告状況、サンクスカードの枚数、そして、反省文・始末書の枚数も評価のものさしとして人事評価制度の項目になっている。

さらに人事制度の評価をするのは直属の上司。このようなこともあり『上司の言うことを聞き、上司に協力する』ことも何より重要になってくる。上司の言うことを聞かない人は、自然と評価も下がることになる。

評価される人が理解できるルールに意味がある

ワールドカップの順位決定も、社内の順位決定(人事評価)も、シンプルかつわかりやすいことが重要だ。評価される側がどうしたら決勝トーナメントにいけるか、どうしたら自分の評価を上げることができるか。

動機は不純でいい。評価を上げるために、上司に協力をする、社内勉強会に参加する、日報で毎日報告をする、反省文・始末書には気をつける行動をはじめてするようになる。働く目的、人生の目的はバラバラでもいい。チームとして目標を明確にして、その目標を達成するために汗をかいて行動する、成果を上げる。

その結果、チーム全員をはじめ、そこに関わる人々が幸せになることが何より重要。スポーツは多くのファンを熱狂させる仕組みが良くできている。会社経営も、よりたくさんの人々を熱狂させる仕組みを学び、導入する必要があると強く感じる。

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    この記事を書いた人

    金村 秀一

    100年塾塾長・社長コンサルタント

    社員数30人以下のヒト・モノ・カネの悩みを解決するための成功し続ける社長の経営塾”100年塾”を主宰。

    経営塾”100年塾”は、飲食業界に関わらず、様々な業界の社長が全国各地から参加している。経営計画書・環境整備・斜めの関係という再現性の高い道具を使って、社員がイキイキと働きながら、社長の決定をすぐに実行する、高収益体質の会社づくりをサポート、生産性が高い強い経営ができる。