5月からスタートした経営塾でこれまでに中期5カ年計画を作成してきた。その計画が実際に実現できるかどうかを、中期5カ年の貸借対照表(B/S)をシミュレーションしてチェックする。会計士や税理士に任せるのではなく、社長自身が貸借対照表チェックを行うことに価値がある。
参加する社長たちも年々歳を重ねているため、老眼が進んでいる。そんなこともあり、今回から大きな外付けディスプレイの設備が整う。おかげで作業の効率も上がる。
参加している社長全員が、自社の決算書を持ち込み、自社の実際の数字を使って貸借対照表をチェックしていく。自社の貸借対照表を社長が学べる環境は世の中に少ない。仲間の社長にアドバイスをもらいながら、わからない科目は顧問会計士に電話しながらと、悪戦苦闘しながら理解を深めていく。いつもは会計士・税理士に任せている作業も、自らの手を動かすことで理解度が深まる。
経営合宿は2泊3日。5ヶ月間に及ぶ経営合宿も最終講を迎える。この期間中、社長同志で『時と場所を共有』したということもあり、お互いの気心もわかり懇親会は毎回盛り上がる。
今晩の懇親会では『社員の可処分所得をいかに増やすか』のテーマ1つで2時間話が続く。経営塾に参加している社長たちは、本気で社員とその家族の幸せを考えていることがわかる。
社長たちの朝は早い。7時からベクトル勉強会が行われる。その前に、5時半から露天風呂での経営相談がはじまる。会社の中で一番時間単価が高いのは社長だ。合宿では朝は5時半から夜は日付が変わる前まで、密度の濃い時間を使う。
第5講のレベルは一気に高くなる。損益計算書の中期5カ年計画とは違い、貸借対照表の中期5カ年計画の答えは1つに止まらないからだ。状況に応じて打つ手が変わる。経営を回すためのキャッシュがいつでも潤沢に準備できるようにするため、シミュレーションも多岐にわたる。さらに、自社のB/Sチャックだけに止まらず、仲間の社長のの貸借対照表シミュレーションすることで、さらに理解を深めていく。
合宿も終盤を迎え、参加者全ての会社が中期5カ年計画で抜群の財務状況となった。銀行の格付けも中小企業で獲得できる最高の格付けとなった。
毎年1回、定期的に自社の貸借対照表を社長が自らチェックすることで、会社は確実に強くなる。
『会社は赤字でも倒産しない。現金が尽きたときに倒産する。』
世の中の社長は貸借対照表が苦手な人が多い。苦手だから知らなくていいという訳ではない。社長の無知は会社を不幸にするからだ。貸借対照表も回数を重ねることで理解は深まる。定期的なチャックを毎年続けることで、会社の財務状況は確実に強くなり、銀行の評価も上がる。
万全な財務体質の未来を知ることができた社長の表情は、晴れやかだった。
参加された社長のみなさん、ありがとうございました!