社内の抵抗勢力を振り向かせる方法

金村
100年塾に参加する企業の多くには「抵抗勢力」が少なからず存在しています。しかし、入社当初から抵抗勢力だった人はひとりもいません。では、どのように対応したらいいのでしょうか?

会社という組織の不思議な生態系:社長vs抵抗勢力

会社は小さな生態系のようです。頂点に立つはずの社長が、時として「与党」ではなく「野党」的立場に追いやられる不思議な世界。この現象は、特に30名を超える規模の会社で顕著に見られます。

抵抗勢力には主に3つの顔があります。

新しいことを避け、慣れ親しんだ環境に固執する「現状維持派」
これまでの地位や利益を手放したくない「既得権益守護者」
そして、どんな旗が振られても淡々と日々を過ごす「無関心層」

これらの勢力は一見、会社の進化を妨げる厄介な存在に思えるかもしれません。しかし、実は会社の免疫システムとも言える存在なのです。

では、このような抵抗勢力とどのように向き合い、共存していけばよいのでしょうか。

未来を見せてあげる

抵抗する社員を動かそうとして、社長が理論武装をして説得にかかることがありますが、実は理論で説得にかかるよりもその新たな取り組みをすることで、その先にどんなことが起こるかを見せてあげることが大切です。

目的をハッキリさせてあげることです。目の前のコトを実行することで未来がどのようになるのか。

その未来を想像できるくらいに伝えてあげるこです。伝える続けることです。改善された後の未来のイメージが湧かないから社員はピンと来ません。だから実は良いとも悪いとも言えないのです。

変化によって失うものを恐れない

さらにもともと人とは、その変化によって得られることよりも、その変化によって失われるであろうことを恐れているのです。その結果、抵抗・反対・無関心勢力の社員たちは、協力的な態度が取れなくなっています。

社員数の少ない職場で、外部との接点も少ないような環境では、そのような心理状態になることがむしろ普通です。だから、私たち社長は未知なものに対する恐怖心を取り除き、改革した未来をイメージさせるプロセスを欠かさないことです。

社長が会社改革を行う時には、一人でも多くの理解者を増やしていくことが大切です。そのためにも、上記の人間心理を理解しながら進めていくことが重要になります。

身内からの評価は低い

あともう一つ、3大勢力にとても有効な方法をお伝えします。それは斜めの関係を使って「アタリマエの基準」を変えることです。

もともと社内には、上司・部下の縦の関係と同僚・同期の横の関係が存在します。

会社の仲間と使う時間は、実は家で家族と使う時間よりも長い間一緒にいます。このようなこともあり、いつの間にか家族同様、身内のような感覚になりがちです。

「身内からの評価は低い」といった奥様方からの旦那さんの評価がなかなか厳しいものがあるのと同様に、社員からの社長の評価、社長からの社員の評価もなかなか厳しくなることが多い。

このような環境の中では、なかなか素直になれないものです。これは仕方がありません。

しかし、そのままの環境を続けることで、社長の決定が実行に移されるスピードは徐々に遅くなって行きます。さらに、何も手を打たないことで3大勢力の構成員になってしまうこともあります。

組織の中でこのような事実がどの会社でも起こりうることを社長が理解しさえしていれば、対策を打てばいいだけです。

斜めの関係を活用する

小さな組織の中の縦と横の関係だとそのような結果になってしまう可能性が高いわけですから、”斜めの関係”を使うことで結果を変えることができます。ここで言う斜めの関係とは、他社の社長や社員といった第3者のことです。

しかし、関係性が薄い第3者から何か言われても、聞き流されてしまうことが普通ですし、決して心に刺さることはないでしょう。時間とコストの無駄に終わります。ですから、”斜めの関係”の第3者には同じ業種や同じ取り組みをしているなど、共通点があることが前提となります。

100年塾では、経営計画書をはじめ、環境整備やサンクスカードなど塾生企業が同じ取組みをしていることもあり、勉強会に社員と参加することで他社の社長や社員と交流することになり、そこで”斜めの関係”で刺激を受けます。

これを何度繰り返すことで、社内だけでずっと仕事をしていたために視野も考え方も狭くなっていた考え方が、ゆっくりと変化していきます。「アタリマエの基準」が変わった瞬間です。

ここで説明したような”斜めの関係”などを上手く活用することが、社長がやるべき社内改革を加速させます。

3大勢力の社員たちを社長と同じ方向に向いてもらうには、いつでも最初は社長の力仕事となります。これまで数年、十数年、数十年かけて3大勢力に育ててしまったのも社長です。本来は、育てた時間をかけて修復していくものです。

ですから、決して急がずに、諦めずに、”斜めの関係”などをフル活用しながら未来を良くするための協力要請を続け振り向いてもらうことです。振り向き協力をしてくれるようになった元3大勢力の社員たちは、その後の社長を必ず支えてくれるはずです。

そもそも実力はある社員たちですから。


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