貸借対照表がわからない『資産音痴』の社長が会社を潰す

1年間の経営が終了する時に、社長の成績表である決算書ができあがる。成功し続けている社長は、一体決算書のどの部分をチェックしながら経営をしているのだろうか。

損益計算書(P/L)は『見解』

損益計算書(P/L)とは、1年間の業績をまとめて、『いくら儲かったのか』『いくら損をしたのか』を知るための決算書。いくら売上があって、いくら経費を使って、最終的にいくら利益(損失)が出たかがまとめてある。

しかし、決算書の損益計算書では利益が出ていても、現金が残っているわけではありません。このような意味で損益計算書は『見解』なのだ。

貸借対照表(B/S)は『現実』

貸借対照表(B/S)とは、決算日現在の財産状況をまとめた決算書。資本金や利益余剰金(純資産)がいくらあって、いくらお金をどこから借りていて(負債)、どのように運用されているか(資産)が表されている。

現金こそが現実なのです。そのため貸借対照表こそが『現実』となる。命の次に大切なお金のことを知らないで、つまり貸借対照表を見ないで経営を行うことは、鉄砲を持たないで戦争に行くようなもの。決して勝てることはありません。

経営はお金を回すことが何より大切

銀行から借り入れができている間は、会社の血液である現金が回っているので倒産することはない。事業経営は利益を出すことが一番ではなく、『お金が回る』ことが一番なのだ。

もしもの時に、会社の血液である現金を輸血してくれるところはどこなのか。それは、基本的には銀行しかありません。

会社が潰れる最大の原因は、社長がこのようなことを理解していない『資金音痴』だからだ。これに尽きる。

『資金音痴』の社長が会社を潰す

資金音痴の社長は、損益計算書ベースで経営計画書をつくる。従って、会社の血液と言える現金の流れがわからないだけではなく、自社の事業構造を変えられない。結果、潰れない会社にするために高収益体質に会社の体質を変えるヒントも見つけられない。それほど、貸借対照表を見ることで、社長の打ち手が決まる。

営業の仕事は、単に商品を売るだけではなく、現金を回収して初めて仕事が完了する。経営とは現金ではじまって現金に終わる。

利益は目に見えない『見解』。現金は目に見える『現実』。潰れない強い会社を作るためには、『見解』である損益計算書を見て経営するのではなく、『現実』である貸借対照表を社長がしっかり見て経営する必要がある。

貸借対照表は自分で触ることで決して難しくない

にも関わらず、世の中の社長は貸借対照表を見ることが苦手な人が多い。決して、難しいものではない。大切なことは、会計の先生に任せるだけではなく、自分で数字を見て、触ることで、きちんと理解することができる。

実際に、成功し続ける社長のための経営塾『100年塾』では、オリジナルのソフトを使って社長たちが自らの会社の数字を触って経営計画を立てていく。これを繰り返すことで、最初はなんとなくしかわからなかった数字が、回数を重ねることに理解することができ、強い会社となるための会社の体質を変え続けている。

会社を潰さないためにも、決算前に決算書の貸借対照表をベースに経営計画を立てることで、確実に強い会社が作られる。

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    この記事を書いた人

    金村 秀一

    100年塾塾長・社長コンサルタント

    社員数30人以下のヒト・モノ・カネの悩みを解決するための成功し続ける社長の経営塾”100年塾”を主宰。

    経営塾”100年塾”は、飲食業界に関わらず、様々な業界の社長が全国各地から参加している。経営計画書・環境整備・斜めの関係という再現性の高い道具を使って、社員がイキイキと働きながら、社長の決定をすぐに実行する、高収益体質の会社づくりをサポート、生産性が高い強い経営ができる。